「KAIZEN」 アメリカのビジネススクールに留学した時、最初に知った英単語「KAIZEN」 「改善」という日本語が英語として一般的にビジネスで使われていることを知り、 当時とても驚いたのを覚えています。
英語で書くと、Continuous Improvement.
絶え間なく向上に取り組むこと。
では、継続的に改善に取り組むチームを作るには、どうしたらよいのでしょう。
たとえば、ここでは工場などでの製品品質ではなく、
間接部門の日常オペレーション業務の品質改善を考えてみましょう。
部門長:「今日はうちの部署の問題点や改善すべき点をディスカッションしましょう」
メンバーA:「やはり、手作業の負荷が多すぎるのでシステムを導入して欲しい」
メンバーB:「○○部の対応がいつも遅くて困っています。何とかして下さい」
メンバーC:「とにかく人を増やして下さい」
部内の改善活動を促したかった部門長であるあなたですが、
逆に要望だけを受けてしまい、部内での具体的な改善アクションに落とし込むことができませんでした。
これでは、不満のガス抜きにはなっても、業務の向上は見込まれません。
さらに、システム導入、他部署の対応、リソースの増員といった自分だけでコントロールできない要望を
引き受けてしまい、それが実現しなかった場合、「あの部長に言っても何も変わらない」とチームからの
求心力を失ってしまう危険性もあります。
業務改善を話し合う時は、そのディスカッションの対象を、
「ローハンギングフルーツを探すこと」に集中するような問いかけをしていきましょう。
「ローハンギングフルーツ」(Low Hanging Fruit)とは一体何か。
大きな木に、果実が成っています。高い所にも低いところにも同じ果実があります。
あなたは、どこの果物から取りますか?
わざわざ高いところになっている果実を取るために、木に登ったり、クレーン車を使って取る人は稀です。
まず手を伸ばしてすぐに取れる、下の方にぶら下がっている果物を取るのが合理的ではないでしょうか。
もちろん、システム導入、他部署との業務連携といった改善策も取り組んでいく必要はあります。
それはよりハイレベルなディスカッションとしてマネージメントレベルで調整していけばいいのです。
その一方で、部署内だけですぐにアクションが取れる改善策(ローハンギングフルーツ)を見つけて、
すばやく取り組むことが大切です。その成果は必ずしも大きいものではないかもしれません。
しかし、たとえ小さくとも、スピーディーに改善したという「結果」を部内で共有することができれば、
士気も高まり、常に改善に取り組んでいくチームを形成していくことができます。
まずは、小さくても今すぐにできる改善に取り組むこと、
ローハンギングフルーツをもぎ落とすことから始めていきましょう!
(初回2007年4月9日掲載)
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