社長車の中で社長から教わった「社長になるための条件」とは、何だったのか? 会社の社長にはならなくても良い。でも『自分の人生の社長』はめざしてほしい。
社長さんが(たぶん)教えたかったこと
なぜ、お客さんはお金を払ってくれるのかを、相手の立場で考えよ。社長が言いたかったのは、まず、これだ。
勤めていた会社がお客さんに納めていたのは、各種印刷物である。パンフレット、カタログ、DMにチラシなどなど。お客さんは、その印刷物を誰かに売っているわけではもちろんない。お客さんは、たいていの場合それらをタダで、自分たちのお客さんに配っている。
印刷物を見て読んでもらい、自分たちの商品が優れていることを、お客さんに認めてもらうからこそ、その商品を買ってもらえるわけだ。少し小難しい言い方をするなら、そうした印刷物は、お客さんの価値を伝えるためのコミュニケーションツールである。
従って、仮にいくらきれいなモデルさんを使い、デザインも現代アート風にばっちりかっこよいポスターができあがったとしても、それがお客さんの価値を、その先のお客さんに正確に伝えることができなければ、意味はまったくない。はっきり言ってゴミである。
世の中はこのような価値の交換で動いているのだ。そのことを社長さんは伝えたかったのだと思う。
なぜ「出世しなくていい」は問題なのか
ここで、いちばん最初の話に戻る。社長になりたくないという、それは良しとしよう。何もすべての人が社長をめざす必要などない。しかし出世したいと思わないのは、問題だ。
自分がなぜ、給料をもらっているのかを一度、きちんと考えてみて欲しいのだ。給料を対価と読み替えるとどうなるか。勤めている会社に対して、何らかの価値を提供するからこそ対価をもらえるわけでしょう。
新入社員のあなたは、会社にどんな価値を提供できるだろうか。もちろん、まだ仕事のことも、自社についても、お客さん情報も何もわからない。当然だ。だから、大した価値は提供できない。というのは言い訳である。
では聞きたい。一体、いつになったら、どんな価値を、自分がもらっている給料の対価として、あなたは提供できるようになるのか。ポイントはここである。
回りくどい話になってしまって申し訳ない。でも、もう少しだけお付き合い願いたい。
新入社員である今の間は、雇ってもらっていればいい、と考えている人でも、いつか必ず「あなたは、当社に、どんな価値を提供してくれているのですか」と問われるときが来る。
今はまだ、その問いに答えることができなくても許されるだろう。しかし、いつかきっと許されなくなるときが来る。そのときのために、今から考えておいて欲しいのだ。
次のページ個人商店でも良いから、社長をめざそうよ
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2010.03.20
2015.12.13