「女性の社会進出を応援しよう!」 …とはいうものの、現実の障害を取り除こうと、日本社会全体が代替案を考えているか、ちょっと疑問です。 事例を2つ取り上げます。「実態」を知ることの大切さの参考になれば幸いです。
◆本投稿記事は、毎日更新中のZ会ブログ
http://www.zkaiblog.com/histaff/
の話題を元に、本サイトの読者層に合わせた形で修正しております。
仲良くしている、学事出版の超優秀な編集者、二井豪さんに随分前に薦められ、これまた随分前に購入して放置していた下記書籍。
子どもは好きに育てていい―「親の教育権」入門 (生活人新書)
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さすが二井さんの薦めている書籍!という感じで、いちいち納得しながら読みました。
その中で紹介されている事例からまずは紹介します。
文部科学省が、国民運動として推奨している「早ね 早おき 朝ごはん運動」(「早寝 早起き 朝ごはん運動」というのがあります。ご存知の方も多いかと思います。
http://www.hayanehayaoki.jp/
文科省が進めていることなので、当然税金も投入され、必要な予算がつき、教育上「いいこと」と、大人のほうから半ば強制的に推進する、ということになりますよね。
上記書籍の著者、西原博史氏は、これに異を唱えます。
例えば、「早ね」(早寝)。
本運動を紹介する冊子では…
保護者の世代が、20時になったら「早く寝なさいね」などと言われてきたでしょ?ということを例にとり、その生活習慣をしっかり子どもたちに伝えていきましょう、などと書かれています。
西原氏は、もちろん「早ね早おき朝ごはん」がいいに決まっている、とした上で、「共働きのお母さんが20時に寝かしつけることがどれくらい大変かわかっているんでしょうか」と主張します。
「都会で」「労働環境が恵まれている」共働きの母親の例をとっても…
会社を出るのが17時、30分の迎えで保育園、そして自宅に到着して18時。
ご飯の用意させて食べさせて~もちろん、好き嫌いがないような躾も適度に施しながら~19時に終わればとっても早い方。
お風呂に入って歯を磨いて、あっという間に20時。
繰り返しますが、これでも「都会で」「労働環境が恵まれている」共働きの母親の像ですよね…。
保護者が子どもだった頃を持ち出して、「20時に寝かしつける」ことを奨励するのは、余りにも現実からかけ離れていると感じませんか。
蛇足になりますが、西原氏は、この運動のための予算(2億5,000万円程度)が、障害児対策予算(1億9,000万円程度)以上についていたことにも異を唱え、「そこまでして進めることなのでしょうか」と訴えます。
次のページ振り回されるのは、母親です。
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