長崎の名物料理「長崎ちゃんぽん」を全国展開するリンガーハット。昨今の不景気の中で客足を維持したい外食産業が軒並み低価格戦略に舵を切る中、同社は逆張りの値上げ戦略に転換した。その勝算はどこにあるのだろうか。
では、値上げの反応はどうか、同社の「リンガーハット西新宿店」に値上げから2日目の10月2日に行ってみた。12時過ぎには比較的広い店内のカウンターは満席となった。値上げによる顧客離反は今のところ見受けられない。
「皿うど~ん」「ちゃんぽ~ん」という、来店客の食券を読み上げて厨房に伝える店員の声が響く。その中に、かなりの割合で「野菜たっぷり~」との声が混じる。およそ3~4割はあるのではないだろうか。マージンミックスも成功しているようだ。
筆者の目の前にも「野菜たっぷりちゃんぽん」が置かれた。麺とスープの上にうずたかく野菜が積み立てられていて大迫力である。「喰いきれるかな・・・」と思いつつトライすると、あら不思議。温野菜の成果である。しっかり胃袋に収まる。野菜をたっぷり食べた!という強烈な満足感。とっても健康にいい気分満点である。また、時々食べに来ようとリピート意欲もしっかり湧いた。
前回の値上げによる失敗を教訓として、今回は顧客ニーズと、顧客への提供価値を考えぬいたのだと感じられた。どうか、今回の戦略がうまくいくようにと心の中でエールを贈りつつ、店を出た筆者であった。(満腹になった腹を抱え、したたる汗をハンカチでぬぐいながら)。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。