「食べるだけで脂肪燃焼を促しエネルギー消費が増加する」とされる食品あるいはサプリメントには、本当にそのような効果があるのか?
職業柄、私の下には健康に関する相談が数多く寄せられます。
私の下に寄せられる健康に関する相談の中で最も多い(といっても過言ではない)のが「食事制限をしないで体重・体脂肪率を減らしたい」というもの。
しかも「だからといってハードなトレーニングはしたくない・・・」という"おまけ"まで付いてくることが多いのですが・・・
いずれにしても「(好きなものを)食べながら痩せる・・・」ことは多くの人が希望するダイエットの姿であるということなのかもしれません。
最近では、日本においてもサプリメントが普及し、多くの人がサプリメントを常用する時代になっていますが、「ダイエット関連サプリメント」の中には、そのサプリメントを摂取するだけで痩せるような印象を与えるものも少なくありません。
このようなサプリメントの謳い文句は「脂肪燃焼を促しネルギー消費を増やす・・・」といったものが大半ですが、「食べるだけで脂肪燃焼を促しエネルギー消費が増加する」とされる食品あるいはサプリメントには、本当にそのような効果があるのか?を検証してみたいと思います。
まず、「食べるだけでエネルギー消費が増加する」ということは全く嘘ではなく、どのような食べ物であれ食事をするだけでエネルギー消費は増加します。
誰もが食後に身体が熱くなることを経験したことがあると思いますが、これはいわゆる「食事誘発性熱産生(DIT)」と呼ばれる重要なエネルギー消費なのです。
この食事誘発性熱産生のメカニズムは味覚刺激が中枢にインプットされ交感神経の発動を引き起こし体内のエネルギー消費を促すためであると考えられているのですが、この知見に基づくならば味覚刺激の強い食品を摂取すれば、それだけ交感神経活動が活発になり多くのエネルギー消費を促すことが可能になると考えることが出来ます。
従って、一般的に味覚刺激が強いとされる香辛料にはDITを高める効果があるとされていますが、先行研究によると「ショウガ」に含まれる「ジンゲロン」には摂取後の酸素摂取量の増加と呼吸商の低下がみられることが明らかにされています。
すなわち、ショウガを摂取するとエネルギー消費が増加し脂質代謝も亢進されるということになる訳です。
そして、ジンゲロンと構造類似性持つとされる「ラズベリーケトン」にも同様の効果があることが明らかにされています。
ラズベリーケトンとは、ラズベリーに含まれる香気成分であり、様々な加工食品にも添加されている成分であるが、ラズベリーにもショウガと同様にエネルギー消費促進効果があるということになります。
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