イケメン四天王が狙う資生堂・uno FOG BARのターゲット

2009.09.03

営業・マーケティング

イケメン四天王が狙う資生堂・uno FOG BARのターゲット

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

妻夫木聡・瑛太・三浦春馬・小栗旬というイケメン四天王がCMで活躍する新発売のスタイリング剤、uno FOG BAR。この商品の販売促進(Promotion)を中心としたマーケティングミックスが実によくできている。

非常に良くできた製品(Product)を、優れた販売促進(Promotion)が後押しするという構造であるが、さらにそれ以前にターゲティングの絶妙さがWeb サイトでよくわかる。
一見男性向けであるこの商品が、女性が使用するとどんなスタイリングに使えるかというコンテンツがしっかり存在しているのである。

この製品は、メインターゲットは男性であろう。しかし、明確にサブターゲットとして女性を設定している、つまり「ターゲット2倍化作戦」をとっているのだ。
しっかりスタイルが決められて、しかも動きが出せて、何度でも直せるという製品特性は、確かに女性のスタイリングにも最適だ。その製品特性を活かした展開なのである。

女性自らが認知して、試して、購入するというパターンももちろんあるだろう。だが、それ以上に男性からのオススメが発生するように設計がなされているのではないだろうか。
イケメン四天王のCMで女性のAttentionも獲得しておく。そこにWebサイトで製品にInterestを持った男性から「これ、いいかも!」と紹介させるというコミュニケーション設計だ。
オリジナルCM動画も「オレ、こんなの作ったから見てみて!」と男性から女性へのアプローチさせるのにピッタリなツールとして仕掛けているとも考えられる。
女性に勧めた男性はもちろん、購入意志を固める。もしくは既に購入済みである。勧められた女性もCMで認知しているし、店頭で見てみれば、赤・白・水色と3タイプのきれいな商品パッケージは女性にも魅力的に映る。

ターゲットユーザーの従来商品に対するニーズギャップが解消できたら、それでさらなるターゲットを拡大することができないか考えてみることが極めて重要だ。男性に加え、女性も取り込めれば、最大、ターゲットは2倍である。
ターゲティング→ポジショニング→マーケティングミックスと一通り完成させれば終わりではない。貪欲に、もっと狙えるターゲットはないかと考えることの重要性を一連の展開は教えてくれている。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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