経営コンサルタントの仕事において、クライアントを怒らせることは簡単です。 いや、どんな仕事においてもクライアントとのコミュニケーションは、 常にリスクをはらんでいると言えそうです。
それに対して、クライアントの言うことに耳を貸さず、
一方的にまくしたてるコンサルタントに信頼を寄せることはないでしょうね。
【参照記事】「質問するチカラ」
■ 相手の意見を全否定する
<悪魔のアドバイス>
コンサルタントの付加価値は、クライアントに新たな変革をもたらすことです。
そういう意味で、決してクライアントの意見に同調してはいけません。
必ずクライアントの主張は否定して、コンサルタント独自の見解を示し、
相手の意識変革を促しましょう。
仮に、クライアントがさらに反論してきても、「私の経験では、、、」と言って、
豊富な経験を武器にしてクライアントを論破し、服従させると良いでしょう。
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<家弓のアドバイス>
確かに新たな視点や考え方を示すことは、コンサルタントの重要な役割です。
上記の発想は、それが行き過ぎたケースといえるでしょうね。
まず相手の状況を理解し、主張を一旦受け入れるコミュニケーションをとりたいものです。
有名な対話法に「Yes But法」ってありますよね。
Yes:「確かにそのような考え方もありますね」
But:「しかし、このような考え方もあるのではないでしょうか?」
相手の言うことを常に否定的にとらえると
「現場の実情も知らないクセに、、、」とか、
「教科書的なことばかり並べやがって、、、」と反感を買うだけだと思うのです。
■ カタカナ言葉を並べてごまかす
<悪魔のアドバイス>
コンサルタントは、難解な経営専門用語を駆使して、
自分が知識豊富で、有能な人間であることをアピールしなければなりません。
特に、カタカナ用語を多用すると相手には自分の言っていることが理解できず、
「いやぁ、マイッタ!」と思わせる効果をも期待できるのです。
カタカナ用語を使うときは、大げさな身振り手振り、そして微笑みを浮かべて、
ちょっとNativeな発音を用いると効果絶大です。
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<家弓のアドバイス>
経営やマーケティング用語には、英語のまま用いられているものがたくさんあります。
これは、私も気をつけなければいけないのですが、
普段のクセが抜けずに、つい英語表記のまま喋ってしまうことが多いですね。
問題の本質は、カタカナを用いることではなく、相手に理解できない表現です。
ただ、逆にあまりに簡単すぎる表現は、クライアントに「舐められている」と
不快感をあたえてしまうかもしれません。難しいものですね。
あくまでコミュニケーションの基本は「相互理解」にあります。
相手の知識や背景をもとに、反応を見ながら、
相手の理解に合わせた説明、表現を適切に使いたいものですね。
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