新入社員の転職志向が高まっているという。 リテンションとは、優秀な社員を囲い込み、引き留めること。 キャリア開発支援の観点から若手社員のリテンション(引き留め策)の糸口を探る。
実際に「社内において自分達の未来にはどのような可能性とリスクがあるのか」が理解されていない。このことは会社に対する不必要な不信感を呼ぶ要因となり、安易に社外に目を向けてしまうリスク要因でもある。
このような不理解な状態で「ともかく現状を我慢することが将来のキャリアにつながる」というメッセージは機能しない。
また、実態として、若手にとって希望のある資格等級制度(キャリアパス)、評価・報酬制度、異動ルールや人材公募などのしくみ整備と運用の実現が望まれる。
人事サイドが主導するキャリア開発支援施策には企業独自のアイデアが盛り込まれ百花繚乱であるが、従業員のキャリアを会社がどこまで支援するのか? という議論も多く、試行錯誤である。
職場の上司がポイント
若手社員のリテンションに大きな影響があるのは、やはり職場でのフォローである。
しかし、上司であるマネジャーは、自分のキャリアをデザインした経験を持たず、キャリア開発とは何なのか? 何故必要なのか? どう考えればよいのか? について、的確に理解していないのが現実なのだ。
キャリア開発支援の先進的企業でさえ、実はマネジャーに対する効果的な施策を実施している企業は少ない。
社内のキャリア・アドバイザーなど、専門部署を設置して側面から支援する企業が増えているが、まずは、多忙極まるマネジャーがどこまでキャリア開発支援をできるのかが、若手社員を動機づけ、引き留める鍵となるのではなかろうか。
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2008.10.18
2008.11.24
増田 崇行
株式会社クエストコンサルティング 代表取締役
2006年5月に株式会社クエストコンサルティングを設立しました。 組織人事領域におけるプロデューサーとして、クリエーターとのコラボレーションによりユニークなサービス、ビジネスを開花させてきました。今後も「Quest for the Human Brightness」をコンセプトとして、インパクトのあるサービスを開発しご提供することで、人と組織の本質的価値の向上に貢献できたらと考えています。