なんと、「バニラ風味&ビタミン配合」である。練乳100%使用。「マジ ハンパなく バリ 甘い」とのコピーを引っ提げ、今年2月、発売以来33年ぶりに全国販売を開始した「マックスコーヒー」の新作だ。今度はどんな狙いが隠されているのか。
ターゲットを拡大できないとなると、ターゲットの購入機会を増やすしかない。そこで、「元気の補給」や「事後の癒し」というオケージョンに加えて、「これから気合いを入れる」というオケージョンに注目し、新製品を開発したわけだ。つまり、明らかに既存ユーザーへのアップセリング(買い増し)狙いである。
マーケティングのフレームワークは一見、MECE(モレなくダブリなく)になっているようで、実はそうなっていない。具体的な施策を検討する、マーケティング・ミックスの4Pには、時間の概念やオケージョンといった概念が含まれていないのだ。故に、実際の展開を考える際には、フレームワークに含まれない要素を見つけ、考慮することが求められる。
マックスコーヒーの新製品は、その一つの好例といっていいだろう。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。