プリッツの「つれてって君」から大いに学んだ!

2009.06.15

営業・マーケティング

プリッツの「つれてって君」から大いに学んだ!

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

1963年の発売以来、46年にわたって人々から愛され続けているロングセラー商品、グリコの「プリッツ」。そのプリッツが究極の進化を遂げた?

「つれてって君」というらしい。
このパッケージを考えた担当者は間違いなく天才だ。
パッケージの表面にミシン目が入っており、「つれてって君」の腕を引き出す構造になっている。腕をカバンの端に引っかければ、カバンの中で迷子になることなく、いつでも取り出せるような状態でプリッツをつれて歩くことができる。

パッケージがどのような形状をしていても、「食べやすさと食感」というプリッツの中核たる価値には影響はない。実体としての価値である「味とそのバリエーション」にも関係ない。しかし、その形状であることが、製品の魅力をより増大させる「付随機能」として、「つれてって君」は抜群の効果を発揮しているといえるだろう。
カワイイ。
アタッシュケースであったり、ブリーフケースであったりする、ガッシリした男子のカバンではイマイチうまく「つれてって君」を引っかけることはできないが、女子のカバン、特にトートバッグタイプなら相性は抜群だろう。女子のハート、わしづかみだ。

トートバッグは小さな子供の母親がよく利用する。バッグの端に引っかければ、カワイイと子供も喜び、取り出して与えるのも容易になる。
ターゲットはママだけではない。独身女性や子育てが終わった女性も「つれてって君」を見れば、ついつれて歩きたくなって手に取り購入する。ターゲット層を拡大するという絶大なパワーも発揮しているのである。
「つれてって君」、恐るべし。

ロングセラー商品、定番商品も、ただ売り続けているのでは生き残ることはできない。
どんな小さな改良でも、本来の価値とは関係ないと思っても、できることは何でもするべきなのだ。カワイイだけではない。「つれてって君」から学ぶ所は大きい。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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