2009.06.07
“なぜなぜくん”だけでは欲求は満たされない
寺西 隆行
(株)Z会
最近の新入社員には「なぜこんな仕事やらなきゃいけないんですか」「この仕事の意味はなんですか」と聞く方が多いそうですね。 ちょっと待った。その前に。
◆本投稿記事は、毎日更新中のZ会ブログ
http://www.zkaiblog.com/histaff/
の話題を元に、本サイトの読者層に合わせた形で修正しております。
有名な「マズローの欲求段階説」。
5段階が
1.生理的欲求
2.安全の欲求
3.所属と愛の欲求
4.承認の欲求
5.自己実現の欲求
とならび、低次の欲求を満たさないと高次の欲求に進めない(進まない)、ということですよね。
最近、新人研修に赴くコンサルタント・コーチ・いわゆる「研修屋」さんや、僕と同じ世代で「管理職」についている友人から出てくる声として
「今の新人は何でも(行動の)理由を求める」
「理由がないと行動につながらない」
というのがあります。
※僕自身は、自社(Z会)の若手社員を見て(そう感じる人もいますが)そこまでは感じないのですけど。むしろ、新入社員ブログなどを見て「若い人めちゃめちゃ文章うまいな~」「イキイキと書いているな~」と感じることの方が多いです。
◆Z会新入社員ブログ
http://www.zkaiblog.com/sostaff/
もし、理由付けを求めている人が身の回りにいたら、問いかけてみてください。
「マズローの欲求段階説はご存知ですか?」
「安全の欲求と所属の欲求は満たしている、と自信をもっていえますか?」
と。
これが自信をもって「はい、言えます!」と言えるようでなければ、「(自分で納得する)理由付け」を他者に求めることにより、承認欲求や自己実現欲求なんていけしゃあしゃあと求めちゃいけないんですよ。
…と僕が思うのはなぜ?というところが、ちょっと説明不足ですかね。
そもそも「承認欲求」(=集団から価値のある存在と認められること)を満たすには、“自分が価値があると思っていること”を自分で成し得ており、それが人にも認められることが必要ですよね。
つまり、“自分が価値があると思っていること”という中に、“自分の価値観”が反映されているわけで。
裏を返せば、“自分が価値について疑問を感じていること”を行っている自分のままでは、承認欲求を満たさないことになります。
で、若い人の“なんでこんなことやらなきゃいけないんですか?”という疑問の背景にあるのは、承認欲求の裏返しではないかと思うのです。
しかし、この発言をする方で、安全の欲求や所属と愛の欲求を自分の力で「満たしている」と、自信をもっていえる人は少ないのではないでしょうかね。
簡単に言えば、所属している会社が倒産したときに、食っていける、とか、他の集団にも属せる自分である(転職できる)、と言えるか、ってことです。
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