世界最速にして世界唯一のトリプルエンジン搭載ブラウザLunascape。ブラウザといえばアメリカという常識を覆し、世界シェア拡大を狙うスタンスは、あのGoogleを彷彿とさせる。ブラウザで「世界平和実現」をめざすLunascape開発の背景を探る。
初めて手にしたコンピュータは、CASIOの『ポケットコンピュータ』(※)だったという。幼稚園の頃、父親がオモチャにと買ってくれたマシンでポチポチとキーボードを打って遊ぶ。そんな子どもだった。
(※)ポケットコンピュータ、通称ポケコン(参考サイト「時間の希宝」ポケットコンピュータ CASIO)
関数電卓に見えるが、プログラム言語を搭載しているためにプログラミングが可能だった。
「最初は本に書いてある通りに打つと、ちゃんとプログラムができる。動くわけです、これは子どもながらに感激しますよね。そこから少しずつ自分で考えるようになって、ちょっとおもしろいものができると、もう少し工夫してという感じですね。中学ぐらいの頃にはゲームを作って友だちに自慢してたりしました」
若干5歳のときからプログラムごっこをして遊ぶような子どもは、いまでも珍しい存在といっていい。だが、それだけのことなら同じような境遇で育った人もいるかもしれない。近藤氏を、他のプログラマー予備軍とはまったく異次元の存在へと押し上げた力は、別にもう一つあるのだ。
「家が秋葉原のすぐ近く、御徒町だったんです。といっても当時のアキバは今とはまったく違って、家電製品の町でした。ここが大好きでした。毎日通ってはとにかく見ていましたね、いろんな製品を一日中飽きもせずに。例えばウォークマンなら、似たような製品をあれこれしつこいほど見比べて、これだって納得できるものを目一杯値切って買う。中学高校の頃は、毎日そんなことをやっていました」
このアキバ通いが思わぬ教育効果をもたらす。一番良いものを探し続ける努力は、モノを見る確かな目を自然と養った。目利きの力である。
「自分が意識せずにやっていたことの意味を、就職してはっきり理解しました。ソニーに入ってまずやらされた研修が、なんとアキバめぐりだったんです。要するに秋葉原に行って、どんな製品が売れるのかを見て来いと。これって、私が高校生の頃やってたのとまんま同じじゃないですか。なるほどなと思いましたね」
今でも店頭に並ぶモノを見れば、売れる・売れないが瞬間的にわかるという。
「この商品を、どのマーケットに、どのタイミングで出せば良いか。そのときメディアはどう取り上げてくれるか。そういう感覚が人より優れているのかなと思うことはありますね」
といって近藤氏を真似て秋葉原に通い、ただぼやっとウィンドウショッピングをしていただけで同じ能力が身につくかというと、決してそんなことはない。『一番良いものはどれか?』を徹底的に吟味する姿勢があったからこそ、目利きの力は研ぎ澄まされたのだ。
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FMO第24弾【株式会社 Lunascape】
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