世界最速にして世界唯一のトリプルエンジン搭載ブラウザLunascape。ブラウザといえばアメリカという常識を覆し、世界シェア拡大を狙うスタンスは、あのGoogleを彷彿とさせる。ブラウザで「世界平和実現」をめざすLunascape開発の背景を探る。
第1回 「世界初、世界最速を生み出す力を育む」
■たった60億人しかいないじゃないか
「もしかしたら、思っていたよりもうんと世界は狭いんじゃないか。人口が60億人『もいる』といえばとんでもない数字みたいだけれど、逆に60億人『しかいない』と考えればどうなるのか。そんなことをある日思いついたのです」
例えば日本人で英語を話せる人はおそらく、何十万人あるいは何百万人もいるかもしれない。しかし、これがチベット語となるとどうか。きちんと話せる人ともなれば、1万人もいないだろう。ではチベット語を話せて、お琴を弾けて料理もできる男性となるとどうだろう。もしかしたら一挙に、数人レベルまで絞り込まれるのではないか。
「だからコンピュータサイエンスを研究していて、しかもブラウザ専門で、ユーザビリティも理解できる奴と絞っていったら、たぶん数千人もいませんよ。世界を相手にするといっても60億分の1を目指すわけじゃない。それなら世界一は現実的な目標になりますよね」
近藤氏が初めてブラウザを作ったのは、大学時代のこと。研究のために世界中のブラウザをリサーチしてみた結果、意外な事実に気づいた。つまり、本当に使いやすいブラウザが、この世にはまだ存在しなかったのだ。
「だったら自分で作ってやろうと。今から10年ぐらい前のことですね。第一次ブラウザ戦争が終わって、I.E(インターネットエクスプローラー)の一人勝ち状態でした。ほとんどシェア100%だから、みんな、ブラウザってこんなもんなんだと素直に受け入れてしまう。もっと使いやすいブラウザが他にあっていいはずなのに、そうした選択肢の存在すら誰も思いつかないわけです」
では、なぜ近藤氏は『もっと使いやすいブラウザ』を求めたのだろうか。同語反復のような表現になってしまうのだが、近藤氏は、なぜ『I.Eを使いやすい』と受け入れなかったのか。近藤氏の頭の中には『より使いやすいブラウザ』が見えていたからだ。すると、次に出てくる質問は当然『なぜ、近藤氏だけに、I.Eよりももっと使いやすいブラウザが見えていたのか』となるだろう。秘密を探ると氏の生い立ちにいたる。
▲ブラウザ普及年表(Wikipediaより一部抜粋)
■ポケコンキッズから秋葉原電化製品大好き少年へ
「確かに早熟だったのかもしれません。幼稚園のときからプログラムみたいなモノを作って、遊んでいましたから」
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FMO第24弾【株式会社 Lunascape】
2009.06.23
2009.06.16
2009.06.09
2009.06.02