昨年の吹石一恵に続き、今年は栗山千明のCMが話題のユニクロ、ブラトップ。その販売目標数は、昨年3倍増の900万枚だという。その未曾有の大量販売攻勢にこそ、ユニクロの戦略の本質が隠されているのではないか。
■ユニクロの店舗展開を反映するブラトップ
商品指のまとめ買い。その購買行動の現実化には、今日のユニクロの店舗戦略が大きく寄与しているといっていいだろう。かつてのロードサイド店は凄まじい勢いで廃店している。代わりに目につくのが、大規模店と駅近店である。大規模店は、新宿に登場した最大規模のユニクロが代表的だ。規模を活かして広範囲から集客をして、指名買い的まとめ買いを促進する。一方、生活者の身近な場所、駅ナカや駅ビルにある店舗は、通勤・通学・買い物の度に単品を都度、追加買いすることが期待できる。
一人あたり4枚以上欲しいとする層が4割。1,094万人の40%×4枚=1,750万枚。それだけで、目標を軽くクリアだ。まとめ買いの大規模店舗と都度追加買いの店舗の合わせ技でそれは実現されよう。そんなに話題なら、と試し買いする層は、生活圏に密着した駅ナカ、駅ビル店で購入し、さらに販売数を押し上げるだろう。
ユニクロの戦略商品であるブラトップ。その強気の販売目標は、ここまでのユニクロの戦略の成果を自ら確かめる目的もあるといっていいだろう。そして、それは恐らく、目標を上回る結果となって現れるのだ。
ユニクロ、恐るべしである。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。