ブレンド茶飲料のシェア7割越えを握っているといわれる、日本コカ・コーラの「爽健美茶」。その強大な力を持つリーダーブランドがさらなる市場拡大策を展開し始めたようだ。
しかし、日本コカ・コーラはちゃんと手を打っている。同社のブレンド茶飲料カテゴリーは「からだ巡茶」との二枚看板だ。広末涼子がキャラクターを務める同製品は明らかな女性ターゲット。万一、爽健美茶のターゲット拡大で離反する層は、からだ巡茶ですくい取ろうという戦略だろう。
爽健美茶はどちらかといえば食事と共に飲むというよりは、飲料単体での摂取が多かったのではないだろうか。しかし、弁当需要が高まれば、食事との相性も重要になる。それに応えるのが、「爽健美茶五穀」である。五穀は当初、2007年からはじまった、季節限定シリーズの一つとして投入されたように思える。それが、定番化している。
五穀は特に食事との相性をコンセプトに開発されたようだ。明らかに飲用シーンの転換を図っている。そして、オリジナル爽健美茶と並んでコンビニの棚を確保していることは、「弁当のついで買い」狙いであることが明白だ。
弁当と最もよく飲まれている飲料は、伊藤園の「おーいお茶」である。その緑茶飲料は最近売上げが低下気味だ。もともと日本コカ・コーラは緑茶飲料に強い商品を抱えておらず、おーいお茶、生茶、伊右衛門の三強に食い込むことができていない。ならば、別カテゴリー商品で弁当のついで買い需要を奪おうという戦略なのだろう。
強大な力を持つリーダーの戦略は、ターゲットを弁当男子、コンビニ弁当ついで買い層に拡大して全方位的に動き始めた。他のメーカーやブランドがどう動くか。この戦いも目が離せない。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。