ここ数年、大学入試の際に「数学」を必要としない学部・学科が、文系を中心に増えてきています。 “数学を勉強しなくてこの大学の学部・学科へ行けるなんてラッキー!” …ほんとにそうでしょうか? 一部の大学で「やっぱり文系でも数学必須にして優秀な人間を確保したい!」という動きが出ていることもあわせ、ちょっと考えてみてください。
ただ、これも甘い考え。
いまやどんな企業も、「人が大事」とよくわかっていますから、就職を希望する方の大学・学部・学科情報はよーく調べているんです。
#あくまでも一つの指標として。いわゆる「学歴優遇」とは別です。
「あ、この学部、数学不要で有名じゃん」
と思われた瞬間、「すでにその希望者に備わっている能力」としては1つのマイナスポイントとなります。
上述したことを繰り返しますと、「(数学の公式を)覚える過程で身につく思考力・発想力・論理力を捨て去る」ことをした、と判断されるわけですからね。
上記で紹介した記事でも述べられていますが、大学側は良い情報しか出しません。
たとえ
「えっ、でも、この学部学科からこの企業に行った人いるじゃん!」
という方が紹介されていても、「そういう人がいた」だけ、つまり、マイナスポイントをカバーするだけのプラスポイントがあった場合が大半です。
入試でラクしよう、学生時代に遊びほうけ、何のプラス材料もない、身についているのはそれなりに知名度のある大学・学部・学科のハクだけ。
…という人は、当然就職活動では厳しくなります。
むしろ「ハク」がある(と思っている)分、「ハク」がない分一生懸命就職活動を行った人より評価されないケースが、実際のところほとんどではないでしょうか。
とにかく数学から逃げ回り、数学のない受験を選ぶ―
一つの選択肢ですから、それも良いでしょう。
けれど“数学を勉強しなくてもよい”という短期的に得られた果実の反面、“数学から逃げてきた人、と見られる”という長期的な損失を受け入れるだけの「覚悟」が、その選択をした人には必要です。
多分知らない人はほとんどいない、某タレントのAさん(さすがに名前は出せないので省略します/イニシャルもAではありません、念のため)。
Aさんの家庭教師を6年間務めた人間は、僕の大学時代の仲の良い後輩Kくんです。
Aさんは文系学部に進んでいますが、高校の方針で、理系科目もかなり勉強を強いられていたようです。
数学はなんと、ほとんどの学校で理系しか学ばない「数学III」まで履修したようです。
後輩のKくんはいいます。
「家庭教師始めた頃、Aさんは数学なんてぜんっぜんできなかったけど、しっかり勉強して数IIIもできるようになっていったからなー。タレント活動しながら、ホントに頑張っていると感じた。」
Aさんは今、「クレバー」と評判のタレント。
きっとタレント業と勉強を両方真剣にやってきた結果が果実となっているんでしょう。
そういうことなんですよね。
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