モノが売れない。不景気で消費者の財布の紐が固くなっただけでなく、その前からとっくに消費は飽和している。そんな環境下では、どんなターゲットを狙っていくのかが極めて重要だ。
本好きはどんな行動をするかを想定して、販売促進も展開している。
http://www.ascotcorp.co.jp/topics/09/04/post_85.html
本好きは本屋に行くよな。Amazonとかじゃなくて。
というわけで、月島近隣の書店4軒に交渉。「本棚の付いているマンション」のブックカバーとしおりを4ヶ月で各1万部配布する。しおりをモデルルームに持参すれば、本好きが喜ぶ図書カード1000円がもらえる。リターンは通常のチラシより断然よいという。
もちろん、図書カード欲しさの来場者も混じる。しかし、それもエリアでのマンション認知度向上に貢献する。
マンション販売は大規模物件でない限り、通常は建設予定地の近隣に、本人か親戚や知人が居住している人が購入する場合が多い。クチコミが極めて重要なのだ。まして、この物件のようにターゲットが絞り込まれていれば、「そういえばあいつ、本好きでマンション探してたよな」と紹介につながるケースも多いだろう。
この物件の販売住戸数は28戸。小規模物件ならではの展開ではあるが、ターゲット像を明確にして絞り込み、ポジショニングを明確にした好例だといえるだろう。マンション不振の昨今、当たり前な物件では苦戦を強いられるのは目に見えている。本棚の付いているマンション、販売はあと数戸を残すのみだという。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。