グルインとはグループインタビューのこと。マーケティングリサーチで一般的に使われる手法です。が、筆者はグルインでは正確な調査は難しいと考え、一対一のデプスインタビューにこだわっています。
では、なぜデプインが良いのでしょうか。
最大にして唯一の理由は一人の相手からじっくりと話を聴きだせるからです。
ただしデプインで成果を上げるためには注意すべきポイントがあります。
対象者と事前調査と話の聴き方の3点です。
まずは対象者、つまり誰から話を聞くのか。
当たり前ですが、これがもっとも大切なポイントです。
対象者を選ぶ切り口は二種類あります。
まずはユーザー/ノンユーザーでわける。
これはBtoBのリサーチでも有効な切り口ですが、
さらにユーザーはヘビー/ライトに分けられ、
ノンユーザーについては
・ユーザー候補(購買意向あり)、
・過去ユーザー
・競合ユーザー に分けられます。
目的に応じてどのターゲットから話を聴くべきかを決めます。
またユーザー/ノンユーザーの切り口に加えて
『シンプルマーケティングby森行生氏(松尾さんがご紹介されていますね)』による
・イノベーター
・アーリーアダプター
・フォロワーの区分を
加味して考えることが必要なケースもあるでしょう。
たとえば一般的な居酒屋チェーンのサービス改善ポイント調査をやるならば、
・過去ユーザー/フォロワー、
・競合ユーザー/イノベーター・フォロワー
といった人選が一つあると思います。
一方、産業材メーカーが販売代理店に対して行なうサポート要望調査ならば、
・ユーザー、
・ユーザー候補、
・過去ユーザー といったところを抑える必要があるでしょう。
大まかにはこうしたターゲット分類の元に、
目的によっては性別、年齢、居住地と行動範囲などを加味することも考えられます。
対象者が決まれば、次は事前調査です。
相手に対する何の事前インプットもないままにインタビューに臨んだのでは
時間内に狙った成果を得ることは難しくなります。
そこで先ほどの例のように居酒屋調査なら、
あらかじめ該当店に行き調査票を記入・提出してもらうことになります。
余談になりますが、ケータイが使えるようになって
こうした調査票記入は非常に楽になりました。
居酒屋のサービス改善ポイント調査などでは
調査票の記入内容が80項目ほどになります。
こちらとしては、これをできる限り記憶が薄れないうちに書いてほしい。
とはいえ、調査しているお店で(居酒屋ですね)
調査票を出して書き込むのは、いかにも妙です。
そこで以前は店を出てすぐに喫茶店などで書いてもらうようお願いしていました。
ところが今ならケータイで、その場で書けてしまう。
いつでも、どこでも誰でもケータイを使うのは当たり前になっているからです。
しかもケータイを使えばトイレの汚れ具合など印象に残った状況を
写真にとっておいてももらえる。
次のページそして最後はインタビュー本番での「聴き方」です。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2009.10.27
2008.09.26