潜在意識にとどく声(3)

2007.07.02

仕事術

潜在意識にとどく声(3)

唐澤 理恵
株式会社パーソナルデザイン 代表取締役

録音もしくは録画された自分の声や姿。「えっ、私ってこんな声だったんだ!」「こんな表情をして話すのか!?」と愕然とすることはありませんか。

録画されたスピーチビデオを視聴しているときに必ず多くの人は、

「自分の声がこんな風だったと思うと嫌になりますね。」

「自分で聞いている声とまったく違います。」

などとおっしゃいます。

そうです。

実は、普段自分で聞いている自分の声というのは、口から息と一緒に音になってでてくる気道音と、声帯の振動がそのまま骨を伝わり振動音として耳に届く骨道音とが混合した状態で聞いていることになります。

一方、録音された声というのは、気道音だけ。

なんとなく響き方が違って聞こえるのはこのためです。

しかしながら、自分以外の人が聞いているあなたの声は、気道音だけということですから、録音された声と同じというわけです。

聞きなれないということもあり、嫌な声だと思ってしまうのですが、
逆に言えば、骨道音の効果は意外と大きいことがわかります。

カラオケでも骨道音を伴う自分の声は意外とエコーが効いて聴こえるものなのです。

しかし、気道音だけの声で相手のからだを揺さぶることは簡単なことではありません。

周囲の空気を動かすパワーが声にのっている必要があります。

ところで、気功をご存知でしょうか。

心身を統一した気功の達人が「エイ、ヤー」と周囲の空気を動かすと四方にいた人たちが吹き飛ばされるという技です。

いつもそんなテレビ番組を、「ほんとかな~?」と疑り深く観ていたものです。

しかし、最近では空気を伝うあらゆる振動は解明されつつあり、この気功の達人が発する振動も探知機がしっかり感知してくれるようです。

色は電磁波であり、たまたま私たちの目が色として感知しますが、実は皮膚全体でその振動を捉えていることも解明されています。

モーツアルトやバッハの音楽を流していると日本酒の発酵度合いが変わることも解明されています。

つまり、声というのは中でもわかりやすい音波。

この音波という振動をいかに相手に送り届けるかで説得力に差がつくというわけです。

そのためには、声をだす楽器であるからだを調律することから始めます。

姿勢よくたてること、下半身が安定していること、上半身が柔軟に保たれていること、顔の筋肉を柔軟にしておくこと。

そして、腹式呼吸で深い呼吸ができること。

腹式呼吸トレーニング(毎朝・毎晩)

1.朝起きたときと寝る前にベッドの上で大の字になり、両手を丹田(へそ下三寸のところ)に置きます。

2.ゆっくりと深く鼻から呼吸をし、下腹が膨らんでいることを確認します。

3.十分膨らんだところで、2秒息を止めます。

4.そして、ゆっくりと口から息を吐いていきます。20秒以上かけて吐ききるつもりで。

5.それを3回繰り返します。

これが説得力のある声のための基礎トレーニングになります。

「そんな基本的なことしてられない!」

「もっと即効性のあるトレーニングはないの?!」

アスリートやアーティストと同じで、ビジネスで真に使える声も一夜にしてはできません。

ましてや、何百人、何千人、何万人もの人たちを動かそうとしているリーダーであれば、なおさらです。(つづく)

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唐澤 理恵

株式会社パーソナルデザイン 代表取締役

「自分らしさをデザインする。」をコンセプトに、独自のパーソナルアイデンティティ分析を基に業界・業種・役職に合った「自分らしさ」をスタイリスト、ヘアデザイナー、ボイストレーナー、演出家ほか各種スペシャリストとともに演出をサポートしています。ビジネスパーソンのためのパーソナルプロデューサー、が肩書きです。

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