内発的動機は本人の内に無限のエネルギーを湧かせ、外発的動機は結局のところ本人や組織を消耗させてしまう。仕事で「フロー」を得るためには・・・
・「いろいろと失敗しなければ、そもそもその製品技術に出くわすこともなかった」と
積極的失敗を奨励する3Mの企業文化。
・「他人のもの真似はしたくない」というホンダのものづくり精神。
・「カイゼン、カイゼンまたカイゼン」といったトヨタの現場思想。
こうした個と組織の善循環が始まれば、
仕事でフロー経験をする人の割合が増えてくるでしょう。
もはやそうなれば、内発的動機を主とし、外発的動機を従とする
健全なモチベーション構造の組織がみえてきます。
(現実は、さほど単純で簡単ではないことは承知していますが)
いずれにせよ、幸せな働き手とは、
「遊ぶように働く」人です。
チクセントミハイは言います。
「(外発的動機という)人間の生物学的性向を利用する
社会的に条件づけられた刺激/反応のパタンに従っている限り、
我々は外から統制される。
我々は身体の命令からも独立し、
心の中に起こることについて責任を負うことを学ばねばならない」と。
私たちは、努めて
外発的動機に生物的に振り回されず、
自主・自律的に、
みずからが仕事の中に内発的動機をつくりだせる働き手になりたいものです。
*参考文献
・M・チクセントミハイ『楽しむということ』(今村浩明訳)思索社
・M・チクセントミハイ『フロー体験喜びの現象学』(今村浩明訳)世界思想社
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2007.07.02
2009.10.27
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表
人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。