カルピス株式会社のリリースによると、1月19日から、<“ジンジャー”の爽快な刺激が楽しめる乳性炭酸飲料「『カルピスソーダ』ジンジャーゼロカロリー」>を全国発売するという。この商品はいったいどのような戦略で上市されるのだろうか。
プレスリリース
http://www.calpis.co.jp/corporate/press/nr_00343.html
リリースによれば、ターゲットは<健康を意識する20~30代の大人世代>だという。
そして、ポジショニングの要は<「カルピス」と“ジンジャー”の新しいおいしさをゼロカロリーで楽しめる>という製品特性だろう。
カルピスは、「カルピスサワー」でアルコール飲料カテゴリーにも進出しているが、どちらかといえば、子供向けのイメージが強い。しかし、今回はあえて、「大人世代」をターゲットにしているという。
「大人向け乳性炭酸飲料」というカテゴリーで考えれば、昨年10月にサントリーから発売された、「ペプシホワイト」が思い出される。歴代の期間限定変わり種ペプシの中では大ヒットであった。
商品やブランドの戦略を考える時には、市場でのポジションに合わせた戦い方が肝要だ。「飲料」という市場で考えれば、飲料業界第2位のサントリーに対して、カルピスは明らかに「フォロアー」である。フォロアーにとっての戦い方の一つは「模倣戦略」だ。リーダー企業が作り上げた市場に同種の商品を上市し、密かにシェアを浸食する。
その見方をすれば、「ゼロカロリー」はコーラ系飲料の得意技だ。また、レモンなどのフレーバーを加えるのはペプシのお家芸でもある。そして、期間限定ゆえ、もはや市場には「ペプシホワイト」はない。リーダーから開拓したポジションをうまく禅譲されたという見方もできるだろう。
一方、「市場」の定義を変えれば別の見方もできる。「飲料」という大きなくくりではなく、「乳酸菌飲料」もしくは「乳性炭酸飲料」という市場定義だ。1919年にカルピスを発売し、日本で初めて市場を開拓。1973年にカルピスソーダ発売して乳性炭酸飲料ブームをおこした。「乳酸炭酸飲料」カテゴリーでは、日本コカコーラの「アンバサ」など、大手飲料メーカーの同質化戦略にも耐え抜いてブランドを保ってきたカルピスソーダは、紛れもなく「リーダー」である。
しかし、子供向けイメージの強い乳酸飲料市場において、少子高齢化の市場傾向は明らかにアゲインストの風である。2006年に味の素株式会社の傘下に入ったのも、少子高齢化で縮む市場に対応するためだといわれている。また、乳酸飲料だけでなく、ミネラルウォーター「エビアン」やワインの輸入などを手がけているのも、企業として製品ポートフォリオの安定化を図っているためだと解釈できるだろう。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。