大晦日である。もういくつも寝ないでお正月。 初詣に行って「おみくじ」を引く機会もあろうかと思う。 不景気が加速すると言われる新年。 果たして、大凶なのか、大吉なのか? その確率やなんやらをマーケティング的に考察してみる。
でも、こうやってネットを覗いてみると「大大吉」のおみくじがちゃんと口コミネタになっている。
よいPR素材になっている。
さすが、伏見稲荷神社。商売の神様たる所以である。
※「大大凶」の体験話しは、残念ながら見あたらなかった。
では、どのくらいの人が「おみくじ」を引くのか?
株式会社アイシェアの調査結果(20代から40代を中心とするネットユーザー372名の回答を集計した)によると・・・。
正月におみくじを引く人は、全体の約35%。
そして、その結果と1年の運勢がピッタリと一致したと言う人は、5割近くを占めるわけである。
例え「大吉」でなくても、「吉」は、「吉」。少しでも良い解釈のできる結果が見えたら、それ以上の運勢にしようと、人間は努力し、思い込むことができるということだ。
「政治」や「マスコミ」が不景気だ、不況だと騒ぐばかりでなく、もう少し「吉」の情報を社会に伝えることができれば、自然と世の中は良くなる方へ向かうのではないかと「おみくじ」の調査を見て思う。まさしく「吉報」が、世直しの良薬。
政治家の言葉は、おみくじ以下なのは、寂しい限りだ。
では、最後に・・・
「おみくじ」は、どのくらい儲かるものなのか?
何故、おみくじビジネスは1000年以上続いているのか?という問いに答えてくれる書籍がある。タイトルがそのまんま「おみくじの原価は1円」(金子哲雄著・宝島社新書)である。
そう、おみくじの原価は1円っ。
おみくじは、見事なまでの高利益率商品であり、ロングセラー商品なのである。
参拝者側もあまり深く考えず購入して、何が出ても有り難く受け取る。その時の100円について、深く突っ込んでくる参拝客などいない。完璧に出来上がったブランドビジネスである。
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神社とお寺のマーケティング論
2009.01.02
2008.12.31
2008.12.19
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。