現在、日本全国に展開されるコンビニエンスストア。 変化に対応し、成長していたコンビニ。コンビニにおける他の小売業とはまったく異なる3つの特徴を徹底解説する。 NEWDAYSを平均日販、日本1位へと導いた船井総研の看板コンサルタントがコンビニエンスストアのカラクリについて解説していく。
日本全国にお店があり、日本人の生活に密着しているコンビニエンスストア(コンビニ)は約30年間をかけて大きく成長しました。
最新の商業統計(平成19年度版)だと、コンビニの市場規模(年間売上高)は、約6兆9千億円にもなります。店舗数も約4万3千店あります。デパートの市場規模が約7兆6千億円ですので、コンビニ市場規模の大きさが良く分かります。
30年前に日本にコンビニというビジネスモデルが上陸した後、いつの間にやら、本家のアメリカのビジネスモデルからドンドン進化をしていきました。小商圏(半径約800メートル)の需要を満たすお店作りを行うため、最初は生鮮品を扱わないミニスーパーとしての位置づけでした。
ところが、「おにぎり」を取り扱ってみたり「お弁当」を取り扱ってみたりとイロイロな試行錯誤を繰り返しながら業態は進化を続けていきました。コンビニの進化の歴史は「お客さまニーズへの対応:変化対応」の歴史でもあるのです。
コンビニの凄さは変化対応をし続けてきている点にあります。お店の近隣住民の変化、ニーズの変化に対応し続けてきたために、ここまで大きくなった業態なのです。
第1回目は、コンビニビジネスの基本とも言える、業態特徴を3点にまとめてみましょう。
1. 固定客が80%
2. 店内での平均滞在時間は5分以内が80%
3. 脅威の坪当たり売上高(生産性)
■固定客が80%
固定客とは週に1回以上コンビニに行くお客さまのことをカウントしています。コンビニの1店舗あたりの平均客数や約900人です。このお客さまの約80%は週1回以上コンビニに行っていることになるのです。
コンビニは小商圏で成り立つ業態です。ここでの小商圏とは徒歩で10分圏内と考えられる、徒歩1分=80メートルなので店舗を中心に半径約800メートルの円内の住民がコンビニの対象客となります。徒歩10分以内で行ける場所にコンビニがあるので、近隣住民はチョコチョコとコンビニに行くことになるのです。
また、コンビニで取り扱っている商品構成も影響しています。変化対応を続けてきたコンビニでの売上の中心は過去は「酒」「たばこ」「雑誌」「加工食品」でしたが、近年は「おにぎり」「弁当」「冷たい麺」といった食品(中食)となってきました。
これから示すデータは公開情報ではなく、私が過去・現在個人的にお手伝いをしているコンビニの数値ですが、中食の売上構成比平均は、約50.3%でした。コンビニ1店舗あたり平均年商が約1億6千万円であるため、実に約8000万円が1店舗あたりの中食年間売上となっている計算になります。
次のページ■店内での平均滞在時間は5分以内が80%
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