「第五水準のリーダーシップ」 という言葉はご存知でしょうか? そこそこ良い(Good)企業を 「偉大(Great)な企業」 へと飛躍させ、しかも高い業績を長期にわたって 維持することに成功した「指導者」に共通する 「リーダーシップのスタイル(特質)」 のことです。
「第五水準のリーダーシップ」は、
『ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則』
(ジェームズ・C・コリンズ著、山岡洋一訳、日経BP社)
において初めて明らかにされました。
「第五水準のリーダーシップ」を発揮するリーダーとは
どんな人なのか、端的には次のように形容できます。
・謙虚だが、強靭な意志を有している
つまり、個人としては謙虚で控えめ、
しばしば恥ずかしがり屋。
ところが、職業人としては、
不屈の精神を持ち、大胆な決断ができるという、
矛盾した2面性を持っているのです。
このリーダーシップスタイルは、
成長企業のリーダーの典型的なイメージである
ワンマンでカリスマ的なリーダー像
とは大きく異なるものですね。
『ビジョナリーカンパニー2』では、
第五水準のリーダーシップの2面性について
以下のような説明があります。
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*職業人としての意思の強さ
・素晴らしい実績を生み出し、偉大な企業への飛躍をもたらす
・どれほど困難であっても、長期にわたって最高の実績を
生み出すために必要なことはすべて行う固い意思を示す
・偉大さが永続する企業を築くために基準を設定し、
基準を満たせなければ決して満足しない
・結果が悪かったとき、窓の外ではなく鏡をみて、
責任は自分にあると考える。他人や外部要因や運の悪さのためだ
とは考えない
*個人としての謙虚さ
・おどろくほど謙虚で、世間の追従を避けようとし、決して自慢しない
・野心は自分個人ではなく、企業に向ける。次の世代に一層の成功を
収められるように後継者を選ぶ
・鏡ではなく窓をみて、他の人たち、外部要因、幸運が会社の成功を
もたらした要因だと考える
・静かな決意を秘めて行動する。魅力的なカリスマ性によってではなく、
主に高い基準によって組織を活気づかせる
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さて、こうした第五水準のリーダーシップを発揮している人は、
日本の企業(組織)だと誰が該当するだろうと考えた時、
真っ先に私が思い浮かぶのは、
品川女子学院校長、漆紫穂子(うるし・しほこ)氏
です。
漆氏とは、半年ほど前にこじんまりとした会で初めてお会いし、
ちょっとだけお話したことがあります。
その時の印象は、まさに謙虚で控え目な美人校長。
気負ったところがなく、威圧感を与えないソフトな語り口。
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2009.07.03
2010.03.20
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。