先日、あるパーティでビジネス系大手出版社元編集者の方 (「Aさん」としておきます)とお話する機会がありました。 編集者時代、Aさんは、 ビジネス書を50冊以上手がけられたとのことでした。 (現在は独立されて別の仕事をやられています) Aさんによれば、人々の関心を集めるテーマや内容には 大きなトレンドがあり、そのトレンドをうまく読むことが、 売れる本を作るポイントだとのことでした。
最近は、
「●●勉強法」
というテーマがベストセラー上位を占めることが
多いですよね。
仕事の成果に直結するスキルアップを図らなければ、
「良い働き先が見つからない」
あるいは
「現在の会社に残れないかもしれない」
といった危機意識が高まっているせいでしょう。
さて、音声コンテンツのダウンロードサイト、
「ラジオデイズ」
が最近行った
本の「帯」などのキャッチコピーに書いてある言葉で、
つい気になってしまうもの
について訊いた調査結果を見かけました。
(編集会議、2009.01)
当調査の回答者数は4,554人。
全回答者ベースでの回答ランキング上位(10位まで)を
見ると次のようになっています。
1位 感動
2位 ~役に立つ
3位 衝撃
4位 すぐ分かる
5位 笑える
6位 泣ける
7位 ~部突破
8位 ~部絶賛
9位 映画化・ドラマ化
10位 メディアで紹介
ざっくり分析すると、上位にくる言葉は、
・感情が揺り動かされることが伝わる言葉(感情系ワード)
→感動、衝撃、笑える、泣ける
と、
・実用的であることが伝わる言葉(理性系ワード)
→役に立つ、すぐ分かる
の2タイプに分類できると言えますね。
この結果は、本のカテゴリー別でのクロス分析結果を
見たいところですが、おそらく
・文芸書における感情系ワードに引かれた
・ビジネス書における理性系ワードに引かれた
ということでしょう。
つまり、異なるタイプの関心が混在していると思います。
ただ、興味深いのは、
「映画化・テレビ化」や「メディアで紹介」
といった言葉はあまり読者の気を引かない言葉である
という点です。
作り手の押し付け的な印象があるからでしょうね。
なお、男性別に見ると、
●男性
1位 ~に役に立つ
2位 すぐ分かる
3位 感動
4位 衝撃
●女性
1位 感動
2位 衝撃
3位 すぐ分かる
4位 ~に役に立つ
です。
1、2位と3、4位が、
男女で入れ替わる形になってますね。
こうした結果にも、
やはり男女の性差が如実に表れることがわかります。
それにしても、みんな「感動」したいんですね!
*ラジオデイズ
http://www.radiodays.jp/
上記調査結果は、サイトでは公開されていないようです。
また、編集会議の記事では実施日は記載されていません。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。