2008.10.31
登録制サイトでもGoogle検索でヒットさせられる「First Click Free」
安田 英久
株式会社インプレスビジネスメディア Web担当者Forum編集長
グーグルは、同社のWeb検索における「First Click Free(FCF)」ポリシーの概念を公式に示しました。今回は、この仕組みについて解説しましょう。
「First Click Free」とは、「1クリック目は無料で」という意味。つまり、サイトのコンテンツを見るのにユーザー登録をしたり購読料を支払ったりする必要のあるサイトでも、グーグルの検索結果から飛んだ最初の1ページは、登録や支払いなしにそのままコンテンツを見られるようにしておくのなら、そのコンテンツが検索インデックスに含まれるようにしていい、というグーグルのポリシー。
元はグーグルニュースのためのポリシーだったのですが、それが2008年の6月あたりから(非公式に)普通のグーグル検索にも適用されており、今回、公式にガイドラインが明確化されたもの。これをわかりやすく表現すると、グーグルから見て「不正なクローキング」だとみなされない形でのコンテンツ表示の操作が認められたことになります。
どういうことかというと、これまでは、ユーザー登録や購読料が必要なサイトのコンテンツがグーグル検索でヒットするようにしようとすると、グーグルのガイドラインに違反することになっていました。具体的に説明しましょう。通常、登録が必要なサイトでは、登録していないユーザーがコンテンツページの URLにアクセスすると「登録してください」といったページが表示されます。しかし、検索エンジンのクローラ(ロボット)がアクセスしてきたときだけはページのコンテンツをすべて表示するようにしておけば、検索エンジンでヒットするけれども、人間のユーザーは登録しないとページを見られないようにできます。しかし、この状態は、グーグルの定義する「クローキング」に該当していました。
クローキングとは、ユーザーと検索エンジンとで異なるコンテンツや URL を表示することです。user-agent に基づいて異なる結果を表示するサイトは、偽装の意図があると見なされ、Google インデックスから削除される場合があります。
しかし、First Click Freeポリシーに則った動作をするようにすれば、不正なクローキングだとはみなされなくなったのが、今回の目玉。First Click Freeポリシーのガイドラインは、具体的には次のようなものです。
グーグル検索からクリックしてあなたのサイトに来たどのユーザーも、ユーザー登録や購読料の支払いなどなしに、アクセスしようとしているコンテンツすべてを、見られるようにしておくこと。
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安田 英久
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