Webページのリンクをクリックすると別ウィンドウ(あるいはタブ)が開く事について、いまどきのWebユーザビリティ観点から解説する。
■基本的にはNG
「別サイトへのリンクについては 別ウィンドウで表示させる」というルールのWebサイトがとても多い。
Webサイトのオーナー側としては、リンク先の別サイトページを表示した後も 元の自サイトページへの意識を繋ぎ止めたい気持ちはわかる。
但し、最近では 別ウィンドウで開くか否かはユーザに選択権を与えるべきという意見にまとまっている。
最近のブラウザでは、「別ウィンドウ」で開くか「別タブ」で開くかまで選択できるので。
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参考:W3Cの勧告「Web Content Accessibility Guidelines 1.0」
Until user agents allow users to turn off spawned windows, do not cause pop-ups or other windows to appear and do not change the current window without informing the user.
(ブラウザ等)ユーザエージェントで新しいウィンドウを開かない設定ができるようになるまでは、ユーザに知らせることなしに新しいウィンドウを開いたり、現在のウィンドウを変更しないようにする。
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技術的な動向としても、HTMLファイルに、とマークアップし、別ウィンドウ表示が一般的である。
要素のtarget属性は、HTML4 Transitionalで非推奨となっており、HTML4 Strict、XHTML1.0 StrictおよびXHTML 1.1では完全に抹消された。次世代の(X)HTMLでは 使用不可になる方向である。
■PDFファイルへのリンクは?
PDFファイルへのリンクについては、賛否両論がある。
Webユーザビリティの権威であるヤコブ・ニールセンのユーザビリティテスト結果によると、PDFファイルを開き閲覧し終えると 「戻るボタン」を利用せずに 右上の「×」マークをクリックしてブラウザを閉じてしまうケースが多数との事。よって、PDFファイルへのリンクは 別ウィンドウで表示すべきとの意見である。
筆者の意見としては、別ウィンドウで開かない派である。
リンク先の媒体(HTML、PDF、Word等)は何であれ、同一ウィンドウ表示で統一されている事が ユーザにとって、操作上 わかりやすくて 優しいと考える。
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2008.09.26
2010.04.20
エフィジェント株式会社 代表取締役コンサルタント
慶應義塾大学 環境情報学部卒。IBM/サン・マイクロシステムズ/PwCコンサルティング社にて、いずれもコンサルタント職として計10年在籍。 その後、エフィジェント社を創業し、代表コンサルタントとして、システムコンサルティング、システム開発活動に従事。専門システムは、デジタルサイネージ/EC/業務システム。