ようやく策定されたECMのための共通言語 CMIS(2/3)

2008.10.17

IT・WEB

ようやく策定されたECMのための共通言語 CMIS(2/3)

石井 昭紀

前稿に引き続きCMISの概要紹介をしていきます。今回はCMISのモデルにおけるデータタイプを説明します。

格納するオブジェクトのタイプに制限をかけることも可能です。フォルダオブジェクトにはAllowedChildObjectTypeIDsという復数の値を持ちうる属性が定義されており、そこに格納を許可する格納可能なオブジェクトのタイプの集合をセットします。この属性が設定されていない場合はすべての格納可能なオブジェクトのタイプが許可されたことになります。(オブジェクトタイプによる格納制限の機能をもたないリポジトリ製品の場合はこの値を設定しないことで整合をとります)

フォルダオブジェクトに対してもCRUD操作のメソッドが提供されています。オブジェクトをフォルダに格納するaddObjectToFolderサービス。フォルダからオブジェクトを取り除くremoveObjectサービス。オブジェクトの移動をさせるmoveObjectサービス。ツリー構造毎取り除くdeleteTreeサービス(アンファイリングのサポートがあれば取り除かれたサブツリーを保持されるが、そうでない場合は予め格納されているオブジェクトを削除する必要がある)。フォルダ構造のナビゲートして各種ノードの情報を取得するためのgetChildren、getDescendants、getFolderParent、getObjectParentなどのサービスがあります。ツリー構造のトラバースが深さ優先か幅優先かはリポジトリ製品の実装に依存します。ページング機能についても特に規定はありません。

フォルダの階層構造によるパスは"/"区切りで表現されます。また、文書オブジェクト自体はパス表現を持ちません。


関連


関連は、独立したオブジェクトではなく、ContentStreamを持たず、バージョン管理もされず、クエリの対象外で、格納可能でもありませんが、コントロール可能なオブジェクトです。つまり、関連の関連はつくれず、フォルダに格納されることもありませんが、ポリシの適用は受ける可能性があります。関連は、文書・フォルダ・ポリシなどの独立したオブジェクトを2つ、ソースオブジェクトとターゲットオブジェクトとして指定する形でそれらの関係性を表現するオブジェクトとして作成されます。関連は対象のオブジェクトを「汚染しません」。対象のオブジェクトに対して関連を設定したり、その関連の状態を変更しても、それらのオブジェクト自体が更新されたとはみなされません。(結果としてLastModificationDateの値も変わりません)

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