2008.10.09
サイト解析の落とし穴③ 月間UU数
上島 千鶴
株式会社Nexal ビジネス戦略、Web戦略コンサルタント
アクセス解析ツールでは日別のユニークユーザ数(略:UU数)のレポートを出力できるツールは多いですが、日別・週別・月別の来訪者のUU数を計測する際には、重大な落とし穴が待っています。 以下にその内容をまとめます。
「一般的なユニーク来訪者数(UU数)の数え方」
一般的に販売されているアクセス解析ツールには、来訪セッションやユニークユーザ数を日別にてレポーティング・集計するものが多いです。
中には時間帯別に集計されるツールもありますが、時間をまたがったセッション、日をまたがったセッションの測定方法については、解析ツールによって仕様がそれぞれ変わります。
つまり、午後1時から2時にかけてサイト内を回遊していた来訪者が1人いたとします。UU数の数え方は解析ツールのAとBでは仕様が異なります。
例)
解析ツールA 解析ツールB 解析ツールC
午後1時 1 0 1
午後2時 1 1 0
解析ツールAでは、1時台と2時台にそれぞれカウントし、解析ツールBではセッションが終わった時間帯の午後2時台にカウントしていることになります。解析ツールCではセッションが始まった午後1時台にカウントし、2時台にはカウントしていません。
一般的には、解析ツールAの考え方が多く採用されています。時間帯毎に滞在していたユニーク来訪者をそれぞれカウントする方法です。
しかしこの方法だと週単位や月単位に括った場合、落とし穴が存在します。
「週・月単位でのUU数の落とし穴」
例えば、以下一週間の日別のUU数が以下の数字だったとします。
10月1日:800
10月2日:680
10月3日:700
10月4日:750
10月5日:820
10月6日:900
10月7日:650
このまま週のUU数を合計すると、5300。
しかし、日をまたがって(夜中の0時)来訪する人もいるため、実はこの合計数字には重複UU数も含まれてしまうのです。
重複UU数分を除いた、正確な1週間のUU数は7日間の合計より必ず少なくなり数式で表現すると以下のようになります。
時間合計UU数>日合計UU数>週合計UU数>月合計UU数>年合計UU数
ここでUU数の定義の話をしましょう。
ログ型製品の場合は、サーバに溜まったシステムログから集計されるため、来訪者数やUU数といった数字は、IPアドレス+UserAgent(ブラウザ情報)の組み合わせで測定されることがほとんどです。
・社員全員が同じブラウザを利用している同じ会社のプロキシ経由でサイトに数名が同時間帯に来訪した場合
・同じブラウザを利用して同プロバイダ経由で数名が同時間帯に来訪した場合
は、解析ツールでは同一セッションとして測定されてしまいます。よって凡その解析はできますが精度の高い行動分析には不向きです。
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