スーパーの手引き車

2008.10.06

営業・マーケティング

スーパーの手引き車

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

大きめのスーパーマーケットやホームセンターなどに 置いてある「ショッピングカート」は基本的に ‘手で押す’ タイプですよね。つまり「手押し車」です。 あの鉄製のごついやつ。

カート前面に象さんの絵が貼ってあったり、
幼児が座れる小さい椅子が設置してあったりしますけど。

この「手押し車」のスタイル、
この何十年ほとんど変わっていませんでしたが、
ヨーロッパでは最近、

‘引く’タイプのカート

が登場しています。「手引き車」です。
(「とはずがたり」日経デザイン、October 2008)

このカートの見た目は、
プラスチック製の大きめの「買い物カゴ」。

取っ手がついてます。

ただし、カゴの一方の下に車輪もついてます。

また、車輪と反対側からは、
引き手がスルスルと引き出せるようになっています。

ですので、軽いうちは手で持って普通の買い物カゴの
ように使えますし、重くなってきたら、床に置いて
引き手を伸ばし、ちょっと傾けて歩けば、
コロコロと転がして引っ張ることができます。

日本では近年、
派手なデザインのカートを街中で転がして歩く
若い女性が目立ちますが、スーパーの引き車を
引っぱってる姿はあんな感じです。

実際の写真が以下のブログにありました。

*セタガヤーナ毎日(楽天日記)
 「ヨーロッパ旅行(17417)」(2008/05/03)
http://plaza.rakuten.co.jp/setagayanadiary/diary/200805030000/

*これはイタリアのスーパーのもの

日経デザインの記事によれば、
大量の買い物、子供連れに便利だった

「手押し車」

は、都市型の狭いスーパーでは不便なことが多い。

だから、

「手提げカゴ」と「ショッピングカート」

の中間型デザインが登場したとありました。

さて、この「手引き車」ですが、
スーパーでよく買い物をされる方なら、

“そうそう、こんなカゴが欲しかったんだよ!”

と思わず叫びたくなったのではないでしょうか?

つまり、この道具は、スーパーの来店客の

潜在ニーズ(別の言い方をすれば、「顧客インサイト」)

を見事に押えた新商品だと言えますね。

私自身、しばしばスーパーに買い物に行きますが、
それほど大量に買うわけでもないのに、
あのでかい「手押し車」はオオゲサですし邪魔くさい。

とはいえ、手提げカゴだと、
知らず知らずのうちに放り込んだ商品で重くなり、
買い物が面倒になってきます。

でも、こんな手引き車があれば、
買い物がもっと便利で、かつ楽しくなりそうです。

おそらく、1来店あたりの総購買金額を
引き上げる効果もあるのではないでしょうか。

そのうち日本でも普及しそうですよね。

それにしても、この新しい「手引き車」は、
どんなことをきっかけに発想されたのでしょうか。

開発の経緯をぜひ知りたい!ご存知の方教えてください。
(もしわかったらご報告しますね!)

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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