2008.09.25
ウェブ検索の10%がナビゲーションのため、10%が購入のため
安田 英久
株式会社インプレスビジネスメディア Web担当者Forum編集長
ペンシルバニア州立大学情報理工学部のジム・ジャンセン助教授を中心としたグループは、ウェブ検索に関する調査を行い、その概要を発表した。
数十万ユーザーによる150万回の検索データを調査したところ、ウェブ検索の行動はおもに「情報探索目的」「ナビゲーション目的」「購入目的」の3 種類に分けられ、情報探索のための検索が全体の80%を、ナビゲーションのための検索が全体の10%を、商品などの購入のための検索が全体の10%を占めていたという。
IST researchers classify Web searches(英語)
→ http://live.psu.edu/story/29879
ここでいう「ナビゲーション目的」の検索とは、行きたいウェブサイトが決まっていて、そこにたどりつくために検索エンジンを使うもの。また、「購入目的」の検索とは、特定の商品やサービスの購入に関する情報を探すために検索エンジンを使うものを指している。
この調査は検索をアルゴリズムによって機械的に分類するためのもので、アルゴリズムで全体の8割ほどは自動的に分類できるのだという。
「ペルソナ」という検索が、ユーザー志向デザインのペルソナと、ゲームのペルソナのどちらを意味しているのかや、「クルーズ」という検索が、トム・クルーズを探しているのか、優雅な客船での夕食を探しているのかなど、単純に検索キーワードだけでは判断しづらい面もあるだろう。しかし、検索の意図を8 割も判別できるのならば、検索エンジンやECサイトにとって朗報だろう。
検索キーワードといえば、オーバーチュアは、新プラットフォームへの移行の際に「キーワードアドバイスツール」を切り捨てた。ユーザーがどんなキーワードで月間何回ぐらい検索したのかを数字で表示し、関連キーワードも表示してくれる便利なツールだった。もちろん新プラットフォームのパナマで同様の機能を提供しているし、グーグルのアドワーズ広告でも同じようなことができるが、以前のオーバーチュアのキーワードアドバイスツールほど明確なわかりやすさと使い勝手はない。
そもそも、検索マーケティングに携わる人にとって、「キーワード」は非常に大切な要因だ。世の人がどんなキーワードで検索しているのかを把握せずに検索マーケティングをプランすることは、路線図も時刻表も持たずに旅行するようなものだからだ。
実際に、オーバーチュアのキーワードアドバイスツールは、キーワード広告を出稿するときはもちろん、オーガニック検索(いわゆるふつうのウェブ検索)のSEOをする人間にとって非常に重宝していたため、終了が決まったときには、業界で「キーワードアドバイスツール供養祭をしようか」という話が出たほどだ。
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安田 英久
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