セカンドライフ騒動とポジショントーク

2008.08.22

仕事術

セカンドライフ騒動とポジショントーク

竹林 篤実
コミュニケーション研究所 代表

去年のバズワードの一つは間違いなく「セカンドライフ」だった。が、このセカンドライフ、最近はとんと聞かない。大企業が熱に浮かされたように先を競って出店した騒動は、一体なんだったのだろうか。

仕掛け人は広告代理店である。ブログなどでは最も熱心だったのが電通さんだったと指摘されている。そこにメディアも乗った、というのがセカンドライフ騒動の真相なのだろう。

そして、この広告代理店&メディアのセカンドライフスクラムに、きっちりと乗せられたのが大企業というわけだ。まあ、お金の余っている企業が、付き合いのある代理店さんに「これからはセカンドライフの時代ですよ。出店するのが早ければ早いほど、メディアに取り上げられるから、それだけでも広告価値がありますよ」なんてすすめられて、ほいほいお金を出せたのだから一年前はまだまだ日本経済は調子良かったのだともいえる。

ポジショントークの恐ろしさ

こういう仕組みをしてマッチポンプというのだろう。そしてメディア各社が展開したのが、見事なまでのポジショントークである。そのポジショントークにはめられた(ある意味、自ら進んでハマったような印象もあるが)のが、出店した各企業ということになる。

ポジショントークは、もちろん、セカンドライフ騒動を巡るものだけじゃない。むしろ、マスコミが発信する情報なんて、すべてポジショントークじゃないのか、ぐらいの気持ちで接した方が間違いない。はめられないためのポイントは「では、その話でトクするのは一体誰なんだ?」を常に考えながら、情報に接すること。これである。

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