あなたが、 「新幹線のパーサー」 として働いているとします。 パーサーの主な仕事は、車内でのワゴン販売です。
さて、いつものように商品を満載したワゴンを押していると
客さんから次のように聞かれました。
“玄米茶か麦茶はありますか。緑茶だけはだめなんです。”
しかし、玄米茶や麦茶は扱っていません。
どうお答えになりますか?
“すいません、緑茶しかお売りしていないんですよ”
と断るのは簡単ですが、これはロボットでもできる返事。
“緑茶だけはだめ”
という言葉の裏にあるお客様のニーズを想像(洞察)できるのが
人間ならではの能力です。(情報の深い解釈という意味では、
(昨日のインテリジェンスに通じるものがありますね!)
さて、平均の3倍を売り上げる東海道新幹線のパーサー、
新幹線ガールこと徳渕真利子さんは、
「緑茶にはカフェインが含まれている」
という知識を元に、このお客さんは、
「カフェインを取りたくないのではないか」
という予測(仮説)を立てました。そして、
「ミネラル・ウォーターならありますがいかがですか?」
という提案をしたそうです。
パーサーの仕事はアルバイトから始めた徳渕さん。
(現在は正社員)
いくら販売成績がよくても時給が上がるわけではありません
でしたが、パーサーのプロとしての矜持を持ち、努力を
欠かしませんでした。
その結果、まだ20歳そこそこで販売の本質を体得し、
高い成果につなげています。
そもそも、
「多く売ろう」
と心がけたわけではないと徳渕さんは言います。
乗客が快適に過ごせることを願い、
最大限、顧客の要望に応えることができるように、
努力しただけのようですね。
には、徳渕さんが体得した接客のコツがいくつか公開されています。
・アイコンタクトを絶対する
たとえ一期一会であっても、乗客ときちんとコミュニケーションを
取ろうと心がけているそうです。
徳渕さんは、
「コミュニケーションが多いほど、
お客さんはより多く買ってくれるようだ」
というCRMの基本法則を既に気づいています。
・もう一品お勧めする
いわゆる「クロスセル」(関連販売)を行うことで、
客単価を高めているわけです。
私が新幹線に乗った時のことを思い出してみると、
クロスセルしてくるパーサーはほとんどいませんよね。
ただ、乗客の注文した商品を渡すだけです。
お客さんにクロスセルするためには、
それが「販売実績をあげたいから」といった印象を与えないように、
お客さんが納得できる適切なお勧めをする必要があります。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。