いわゆる「コンピュータオタク」は、 内向的で非社交的な人間というイメージがあります。 確かに以前は、他人との接触が苦手、友達もおらず、 ひとり黙々とコンピュータ操作に没頭する人が 多かったですよね。
しかし、今や、コンピュータや携帯端末などの
テクノロジーを使いこなしている人々は最も社交的で
たくさんの友人と交流している人です。
コンピュータとコンピュータをつなぐ
「インターネット」
の浸透によって、人と人の間のコミュニケーションが
安価かつ手軽になりました。
最新のテクノロジーは以前と異なり、
社交的な目的のために開発・利用されることが
多くなっています。
ですから、社交的な人ほど、
さらに人とのつきあいを広げたり深めるために
テクノロジーの活用に熱心に打ち込んでしまうと
いうことかもしれません。
米国で行われたある調査では、
最も熱心なテクノロジー愛好者のうち
60%が「外交的」なタイプだったそうです。
(一般米国人のそれは49%)
彼らは、家にとじこもってひたすらコンピュータなどを
いじっているだけではありません。
「夜遊び、街に繰り出す」といった遊びもする
と回答した人は、「テクノロジー嫌い」の人の倍もいます。
また、熱心なテクノロジー愛好者の41%が、
パーティを「積極的に楽しむ」と答えているのに対し、
消極的なテクノロジー利用者は同24%に止まっています。
テクノロジーの役割が変わってしまった現代、
「コンピュータオタク」
に対する認識を改める必要があるのではないでしょうか?
さて、上記でご紹介した「社交的なコンピュータオタク」は、
『マイクロトレンド-世の中を動かす1%の人びと』
の本で解説されている
「41の多様なグループ(層)」
のひとつです。
『マイクロトレンド』とは、
価値観やライフスタイルの多様化を背景として
たくさん生まれている
「小さな兆候」
のこと。
この小さな兆候は、
人口のわずか1%かそこらの規模しかないため
あまり目立ちません。
しかし、今後大きく成長する可能性を秘めた個性的な
グループであり、社会の変化に大きな影響を与えているのです。
本書で挙げられている事例は米国が中心になっていますが、
日本国内の動向については、消費社会研究家の三浦展氏の
コメントが随所に盛り込まれています。
未来を的確に読むために、一読をお勧めします。
『マイクロトレンド-世の中を動かす1%の人びと』
(マーク J. ペン with E キニー・ザレスン著、吉田晋治訳、
三浦展監修)
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2009.07.31
2015.07.17
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。