メタボメタボとかまびすしい世の中で、1日の摂取カロリーの許容範囲で何を摂取するのかコントロールすることが極めて重要になっている。その時流をうまく捕らえたのがネスレの展開だ。
以上のようにカロリー表示の詳細化は、売る側・買う側の必要性が一致していることから今後各社にも波及すると思われる。しかし、もう一段展開がありそうだ。
前述の日経新聞の記事には続きがある。<欧米では100キロカロリーなどわかりやすいカロリー量に合わせた菓子が増えているが、国内メーカーの菓子ではまだ珍しい>。
菓子ではないが、大塚製薬の「カロリーメイト(ブロック)」は1ブロック1キロカロリー。個包装(2ブロック)200キロカロリー。1箱4ブロックで400キロカロリーと、発売以来ずっと明確な表示と製品作りをしている。もしかすると、今後、菓子や食品全般でそんな製品が増えてくるかもしれない。それがさらに進んで、昨今の原料高に対応した値上げや量目調整(内容量の加減)でも、「1キロカロリー当りいくら」というような新たな表示まで登場するかもしれない。さしずめ「カロリー本位主義」とでもいうことになるのだろうか。
ともあれ、カロリーを明示して、摂取もしくは購入の判断をするニーズの高まりは間違いない。消費者のニーズに対応するということは、味・量・価格などを見ていればいいのではない。あらゆる要望をすくい取る必要があることを、このネスレの「カロリー見える化計画」は教えてくれる事例だと解釈できるだろう。
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2008.08.05
2008.09.25
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。