“歴史の陰に女あり”“買い物の陰にも女あり” これは、 『彼女があのテレビを買ったわけ』 (木田理恵著、エクスナレッジ) に書かれていた言葉です。
同書でも述べられているのですが、
男性が買い物をする目的は、多くの場合、
「女性にもてたいから」
ですよね。
つまり、男性は、女性に評価されるようなモノ・コトを
購入しようとするわけですから、買い物の陰には確かに
「女性」がいます。
また、家族全般に関わる商品、
例えば、住居・家具関連、自家用車、家電製品などにおいて、
金を出すのはたいてい夫ですが、どの製品を買うかの選択に
最も大きい影響力を行使するのは妻(主婦)です。
したがって、やはり買い物の陰には女性がいますね。
以上は、指摘されてみれば素直にうなずけることです。
しかし、実際に製品設計や、
マーケティング・コミュニケーションにおいて
女性の心理傾向や嗜好が十分に考慮されているか
と言えば、必ずしもそうではありません。
男性目線でしか考えなかったために、
男性の心はつかめても、女性の心をつかむことに失敗し、
結果的に選択されない商品がたくさんあるのではないでしょうか?
さて、商品選択時において、
男性と女性で最も顕著な違いがあります。
それは木田氏の本によれば、
・男性は「スペック」にこだわる
・女性は「イメージ」にこだわる
ということです。
男性は、商品の細かい特性、つまり仕様を比較し、
客観的にみて正しい選択しようとします。
一方、女性は、全体的なイメージをとらえ、
主観的な判断で商品を選択する傾向が強いのです。
このことは、
つい最近私が関わった某商品カテゴリーについての
グループインタビューでも明確に現れていました。
男性グループでは、商品の構造や仕様にこだわり、
細かく比較検討するという声が聞かれました。
ところが、女性グループでは、
やはりイメージを気にする人が多かったのです。
また、昨日たまたま見る機会があった保険商品の
プロモーションビデオは、父親と息子が登場する
ヒューマンドラマ風の展開で、私を含む男性陣の涙腺を
ゆるませたのに、同席していた女性陣の中には、
「よく分からない」「演出が変で、笑ってしまった」
という人がいたんですよね。
単純に男性、女性に分けて考えるだけでは不十分ですが、
「買い物の陰にも女性がいる」
ことはマーケターは忘れてはいけません。
『彼女があのテレビを買ったワケ』
(木田理恵著、エクスナレッジ)
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。