PC→<iPhone>←ケータイ

2008.06.17

ライフ・ソーシャル

PC→<iPhone>←ケータイ

竹林 篤実
コミュニケーション研究所 代表

ケータイを巡る動きがかまびすしい。来月にはiPhoneが発売される。一方ではモバイルPCのコンパクト化もトレンドとなりつつある。これからのコミュニケーションツールはどうなるだろうか。

PCによるコミュニケーションツール統合

一ヶ月ほど前、野村総研が「ITロードマップ」を発表した(→ ]http://www.nri.co.jp/news/2008/080520_2.html])。これからの(主にビジネスシーンでの)コミュニケーションツールが、どうなっていくのかを予測したレポートである。

野村総研の見立てでは、まずはPCによる「統合コミュニケーション」が起こるそうだ。すなわち今はメールに加えてウェブ会議やインスタントメッセージング、スカイプそしてケータイなどがコミュニケーションツールとして使われている。しかし現状はそれぞれのツールの使われ方はバラバラ。そこでこれらのツールがまずパソコンをキーデバイスとして統合されていくという読みだ。

スマートフォンなどビジネスで使えるケータイもどんどん登場しているが、まだまだいくつかの問題を抱えている。たとえば画面サイズ、通信速度や入力などなどだ。だから野村総研の予測では、2012年ぐらいまではパソコンが主体とならざるを得ないということになる。

しかしパソコンが主体ということは、使える場所がある程度限定される。デスクトップPCなら、まさに机のあるところでしか使えない。モバイルPCを使えば場所はそれなりに自由に選べるけれども、高速通信できることが条件となれば、場所に関する制約条件を完全にクリアすることはできない。加えるなら現状のモバイルPCではポケットに入らない。このあたりがネックである。

ゆえに引き続いて続いて起こるのが、野村総研によれば進化したケータイの台頭である。そのモチベーションとなるのが、いつでも・どこでも願望だ。そこで次世代型ケータイがPCに取って代わる。これが野村総研が描く未来図である。

ケータイのより一層のパソコン化によって、ケータイが抱えていたいくつかの問題(画面サイズ、入力、使えるソフトなど)が解決される。同時にケータイの高速通信化が進むので、いつでもどこでも高速通信が可能。ということはモバイルPCに特有のブロードバンド接続に関わる制約条件もクリアされる。その時期が2012年になるという予測だ。

とはいえ、未来は不確定である。たとえばモバイルPCの通信制約問題はWiMACSなどの普及により一挙にクリアされる可能性がある。とすれば、たとえば「EeePC」が先鞭をつけたミニノートPC(HPやDELLも出してきたし、これから日本メーカーも追随するんじゃないだろうか)が高機能ケータイを駆逐することも考えられる。現状では5?6万円ぐらいするミニノートPCの価格が下がってくれば、高機能ケータイと比べても価格面ではほとんど差はなくなるだろう(むしろ安くなる可能性もあるぐらいだ)。

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