「エコロジスト」を名乗るつもりはないが、環境意識は高い方ではないかと自分では思う。しかし、それと全く逆の思いが常にあるのも事実。それって、いけないことなのだろうか?
さて、ミニカーや、チャレンジャー精神いっぱいの米国の400km/hカーや、超セレブなブガッティがもたらすものはなんだろう。
エコな世の中に逆行した、全く不要な存在にも思える。しかし、例えば世の中の車が、電気自動車や低価格なマイクロカーだけになってしまったらどうだろう。筆者は世の男の子(の心を持った人々)に問いたい。
筆者は運転が好きなわけではない。事実、現在、車を所有していない。
しかし、上記のような車たちの情報を目にすると、やはりどきどきする。だって男の(以下略)。
世の中には「多様性」が必要なのではないだろうか。ましてや、ミニカーならともかく、約7千万円や2億円の車なんて、そんなに走っているもんではない。言ってみれば、スーパーカーなんて、「絶滅危惧種」なのだろう。大目に見てあげたい。
もう一つ見逃せないポイントは、「技術の開発と伝承」だ。常識外れの性能をたたき出す車を開発するのは、普通の技術の組み合わせでは無理なのだ。例えば、全くカテゴリーは異なるが、大人気のi-Podは、既存の技術をうまく組み合わせて大成功した事例として有名だ。しかし、非常識な性能はそれでは叩き出すことができない。
「ブガッティ・ヴェイロン」の開発は、創意工夫・試行錯誤と挫折の繰り返しだったという。開発が終わっても、製造・組み立ての工程の多くは手作業だ。2億円×限定300台で600億円がブガッティ社の売り上げとなるが、開発と製造の手間を考えればかなり利益は厳しいだろう。
しかし、それでもフォルクスワーゲングループが出資している意味とは、技術開発とその伝承ではないだろうか。エコや低価格精算の技術ももちろん重要だ。しかし、車のメーカーとしては、その最高峰を作り出す技術を無くしたくないのではないだろうか。
世界は環境負荷軽減に向けて大きく舵を切った。一方、日本は少子高齢化をはじめとした市場縮小に対する備えが重要視されている。縮小均衡は重要だが、常に前のめりに開発していく心と姿勢だけは忘れてはならないだろう。
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2008.05.25
2008.05.30
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。