効率的にものごとを記録する。記憶する。そして、その成果として学習や仕事というアウトプットをする。「良質なアウトプット」のためには、実は大きなポイントがある。今まで何度か触れてきたことではあるが、様々な記事・コラムの引用と、新ネタを加え全体を整理してみたい。
■なぜ、アタマに入らないのか?
日常生活において、何かをアタマにインプットしなければならない局面は多々ある。端的な例では、学校での勉強がそうだろう。新しい仕事を覚えることもそうだ。そんな時、どのようなインプット方法、つまり、覚え方をするだろうか。
恥ずかしながら、筆者は学生時代、暗記科目が全くダメだった。自らの物覚えの悪さに閉口したものだった。・・・今でもその傾向は否めないのだが。
しかし、実はそのインプットの「方法論」が間違っていたようなのだ。
■脳科学で実証されている、効果的なインプットのための「アウトプットの効用」
少し前にNBonline Associeに掲された脳学者・池谷 裕二氏による記事、「潜在“脳力”を活かす仕事術」の第1回は非常に示唆に富んでいた。「脳は”入力”より”出力”で覚える」というタイトルだけでも「なるほど!」と思ってしまうが、少し要点を見てみよう。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/nba/20080402/152046/?P=1
<私たちの脳は、情報を何度も入れ込む(学習する)よりも、その情報を何度も使ってみる(想起する)ことで、長期間安定して情報を保存することができる>
<参考書を繰り返し丁寧に読むより、問題集を繰り返しやるほうが、効果的な学習が期待できる>
<営業職のビジネスパーソンなら、自社製品の技術資料を繰り返し読むより、顧客先で何回もプレゼンテーションをこなす方が、製品の情報がよく頭に入るということ>
そして、第1回の結論はこうだ。
<入力よりも出力を重視 ── 脳はそうデザインされているらしい。 >
とにかく、「出力(アウトプット)すること」。これは重要なキーワードなのだ。思い起こせば、筆者の学習はいつも一生懸命、参考書を「読んでいた」。「ノートに書き写せ」とか、「問題集をやれ」と言われても、手を動かすことを面倒がってやらなかった。決定的に方法論が間違っていたのだ。
■コンサルタントは常に「アウトプット」を意識している
この「アウトプットする」ということは、筆者の生業であるコンサルティングにおいては最も重要なことだ。その質と量によって評価が決まることは言うまでもない。しかし、インプットがなければ、当然、アウトプットはできない。いかに効率的に、かつ、良質な情報を整理してアタマにインプットするかが勝負の分かれ目になる。
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2008.05.21
2008.05.27
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。