ビジネス・プロセス知性管理のすすめ(前)

「経営・事業改革達成には、情報システム開発の方法や使い方も革新する必要がある」をテーマに、情報化革命(情報化そのものを抜本的に変えること)とは、いったいどういうことかについても記します。(経営と情報システム改革雑記帳)

まったく違う話題ですが、人々はセカンドライフ等で、自身の生活自身もバーチャルな世界を求めようとしていて、現実の世界とバーチャルな世界との違いの認識が無くなり、色々な社会問題を起こしています。
これも、情報化がもたらした「負の同一化」でしょう。
2年ほど前の話です。
あるコンサルタントが、ある大企業の店長に現場の状況を質問したところ、「コンピュータで管理しているので、その内容を見てほしい」との返答があったそうです。
これも情報化がもたらした弊害でしょう。
情報システムに店長の役割が責任含めて吸収された「負の同一化」といえるでしょう。
冒頭の話題に戻りますが、この情報システムに任せる領域が増え、結果的に企業のモラルが低下する現象があちこちに起こっている気がします。

企業は情報システム化により、人は発生する取引データを端末に向け投入し続け、その結果がコンピュータに中に貯まります。そのこと自体は従来必要としていた膨大な紙をなくし、すぐに情報を取得する環境となりました。
人はそこにデータ投入が業務?になります。
さらに、その投入プロセスをコンピュータにより管理される世界が、内部統制、コンプライアンスの仕組みとして広まっている気がします。
つまり、作業を人間が行い、業務をコンピュータが行うという、おかしな関係が社会、企業内に伝染病のように広がっている気がします。

企業が抱える担当業務の孤立
多くの企業がその情報化によりに、担当者は自身の作業は語れるが、部署の業務全般は語れないという担当が多いのに驚かされます。

ある企業の経理のタスクを洗ったら、500くらい出てきた。
それらの多くは、10年前の情報システム化で決められた処理をこなしていいました。
その間、何度か業務改善で事業の業務が変わっても、一旦、システムの処理を介すると業務の変更による情報処理の対応を処置しなかったため、過去の遺物が多数存在する状況に至っていました。
多くの企業で10年くらい使い続けているホスト基幹システムのソフトウェア資産を棚卸しすると、使われていないソフトウェア、つまり負産が40%以上あるケースが沢山あります。
情報システムをクリーニングするにも、ソフトウェア間の関係、絡み合いがわからず、修正を加えられないプログラムが徐々に増え、システムの硬直化を招きます。

そのような硬直化した情報システム環境で、改善、改革を事業が取り組むと、情報システムが対応ができず、改善、改革が思うように進まない状況になります。
担当内の改善は易しいが、担当をまたがる改善、さらに企業全体の改革と、範囲が広がると、難易度が急激に増します。
業務が孤島となり、業務間に情報処理(システム)の橋が架かっていても、業務担当には見えないのです。
企業が改善、改革をするとき、その推進がうまくいかない原因が情報システムとなってしまっていいのでしょうか?

~次回「ビジネス・プロセス知性管理のすすめ(後)」に続きます!~

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。