現在公開中の映画 『NEXT-ネクスト』 は、ご覧になりましたか? 同映画でニコラス・ケイジが演じている主役、 クリス・ジョンソンは、2分先までの自分の未来がわかる 超能力を生まれながらに持っています。
たった2分先までとは言え、
自分にどんなことが起こるかがわかるのは
大きいですよね。
クリスは、自分を狙って撃たれた
ライフルの弾丸をよけることができます。
まるでスパイダーマンのように・・・
ただ、スパイダーマンは高度な身体能力で弾丸を避けますが、
クリスは事前に弾道がわかっているから逃げられるという点が
違いますね。
さて、彼は、このような自分にふりかかる災難を察知して
避けることが可能なだけではありません。
自分がこれから起こそうとする行動の2分以内の展開が
見えるため、最善の行動を選び取ることもできるんです。
事前に「シミュレーション」ができるわけです。
例えば、映画の中でクリスが運命の人と感じた女性、
リズ(ジェシカ・ビール)と何とかして仲良くなろうと
近づくシーンがあります。
そこにリズの元カレが現れ、
いやがる彼女を強引に外に連れ出そうとするため、
クリスは止めに入ります。
ここで、クリスは最初、
元カレと殴り合いになった場合の展開を予見します。
すると、「勝手にやってなさい」と、
殴りあう男2人を置いて彼女が立ち去るシーンが
クリスには見えました。
そこで、クリスは、殴り合いを避け、
あえて元カレに自分を殴らせるという行動を
選択します。
もちろん、殴られたクリスは痛い思いをしますが、
おかげでリズの同情を引き、見事仲良くなることに
成功するというわけです。
クリスの超能力はあくまでフィクションです。
しかしよく考えてみれば、日常のビジネスや生活の中で
私たちはごく短い将来(およそ3秒以内)を予見して、
(正確に言えば‘予測して’)行動を起こしていますよね。
例えば、商談の場面。
「自分が次にこういったら、相手はどう反応するだろうか」
「では、言い方をこう変えたら、相手の反応はどう変わるだろうか」
というシミュレーションを高速で行い、
半分無意識的に、適切と判断した言葉を口にしています。
したがって、クリスのように
「2分先」
はどちらにせよ無理にしても、
3秒先くらいまでの予見(予測)が的確にできるようになれば、
日々の物事はより円滑に進むようになると言えるのでは
ないでしょうか。
ちなみに、この短期的な予測力の極限が試されるのが、
プロスポーツの世界です。
プロ野球では、ピッチャーが投げた時速150kmのボールが
打者の手元に届くまでわずか0.45秒。
この1秒の半分にも満たない時間で、
バッターは、向かってくる球がストレート、それともカーブ、
はたまたフォークか、といった球種や、また高めか低めかと
いったコースを見極めなければいけません。
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2009.10.27
2008.09.26
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。