2026.09.14
3️⃣AI時代を読み解くキーワード③ AI Native──AIを「後から導入する企業」から「最初からAIで設計する企業」へ
富士 翔大郎
人材育成コンサルタント、シニアインストラクター
AIを「後から導入する企業」から、「最初からAIで設計する企業」へ
Cloud Nativeと考え方は似ている
AI Nativeという言葉を理解するには、Cloud Nativeとの比較が分かりやすいと思います。
かつて企業は、自社のサーバーや既存システムをそのままクラウドへ移しました。
これは、クラウドを使ってはいますが、必ずしもCloud Nativeではありません。
Cloud Nativeとは、クラウドの拡張性、柔軟性、継続的な更新といった特徴を最大限に生かせるよう、最初からアプリケーションを設計する考え方です。Google Cloudも、Cloud Nativeを、クラウドのサービスや提供方式を十分に活用するためのアプリケーション構築・運用手法と説明しています。(Google Cloud)
AI Nativeも同じです。
既存の業務へAIを乗せるだけではなく、
* AIがデータを理解する
* AIが予測する
* AIが提案する
* AIが実行する
* 人間が確認し判断する
* 結果からAIが学習する
という循環を前提に、最初から仕事をつくります。
AI Nativeな商品とは
AI Nativeな商品は、単にAI機能が付いている商品ではありません。
商品そのものの価値が、AIによって生まれます。
例えば従来の学習サービスでは、
あらかじめ用意された教材を、利用者が順番に学びます。
AIを後付けする場合は、教材の内容について質問できるチャット機能を追加するかもしれません。
一方、AI Nativeな学習サービスでは、
* 学習者の理解度を分析する
* 苦手な部分を特定する
* 学び方の傾向を把握する
* その人に合った問題を生成する
* 回答内容に応じて説明方法を変える
* 学習計画を随時組み替える
という仕組みになります。
全員が同じ教材を同じ順番で学ぶのではありません。
一人ひとりに合わせ、教材そのものが変化していきます。
これは私が以前から重視してきた、個人ごとのラーニングスタイルにもつながります。
人によって、理解しやすい説明も、必要な反復回数も、集中できる時間も異なります。
AI Nativeな教育では、その違いを前提に学習環境を設計できます。
AI Nativeな企業とは
AI Nativeは、商品やアプリケーションだけの言葉ではありません。
企業そのものにも当てはまります。
AI Nativeな企業では、AIが一部門の専門ツールではなく、会社全体の仕事を支える共通基盤になります。
例えば、
* 経営では、データ分析やシナリオ作成を支援する
* 営業では、顧客理解と提案準備を支援する
* 開発では、設計や検証を支援する
* 人事では、配置や育成の検討を支援する
* 管理職には、部下との対話や判断を支援する
* 社員には、日常業務を支援するAIエージェントを持たせる
という状態です。
Microsoftは、AI Native企業について、従来より階層が少なく、専門知識が広く利用され、あらゆるデータが価値を生む可能性を持つ企業像を示しています。(Microsoft)
ただし、単に全社員へAIツールを配ればAI Native企業になるわけではありません。
AIを導入しても、
* 意思決定が以前のまま
* 承認階層が以前のまま
* 情報が部門ごとに分断されている
* 業務手順が複雑なまま
* AIの利用が個人任せ
* AIの提案を誰も検証できない
のであれば、本質的な変化は起きません。
AI時代を読み解くキーワード
人材育成コンサルタント、シニアインストラクター
● 人材育成、DX・IT、コンサル、マーケの経験を踏まえて、人材教育の新たなアプローチを探求中 明大法なのに齋藤孝ゼミ🤣 教免3種ホルダー イノベーション融合学会専務理事 教育研究家、モノカキの時は、「富士 翔大郎」と言います。天才トム・ショルツの「BOSTON」と「マニュアル車」「海外ドラマ」をこよなく愛する静岡県民
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