日本とアメリカのVoIP関連市場の違い、VoIPの世界で日本がどのくらい欧米から遅れをとっているのか、今後このVoIPの世界はどこに向かうのか。
2008年1月末に米国マイアミで開かれたITExpo2008に行ってまいりました。目的はアメリカのVoIP市場の調査と、VoIP関連企業とのパートナー契約の締結。驚いたのは日本人が一人もいなかったこと。アジア系はインド人と韓国人、中国人の数名にお会いしたくらいで、世界最先端の技術が世界中から終結するITイベントに日本人が誰もいないのはどうしてか?
欧米に見る「VoIP市場の概観」
日本ではいわゆる旧式のレガシーPBX、IPセントレックスのようなホスト型PBX,そして大変高価なハイブリッドPBXが使われています。今回アメリカの展示会で印象的だったのは、欧米では、その次の次世代型PBX「ハイブリッドホスト型」PBXが大きなシェアをとっていたということ。
どのPBXシステム採用するかの選択肢は多様です。製造会社やその会社が提供する各種のテレフォニーシステムを選択するだけでなく、どのようなアーキテクチャ、テクノロジー採用するかにおいても様々な選択肢があります。残念なことに、選択肢が非常に多いという状況は、エンドユーザーにとって懸命な選択をしにくくしております。そして、多くのPBX製品の販売会社はこの状況を利用して、顧客に非常に高価な製品やサービスを販売しています。
現在使用中の最も旧式のシステムとして、PBXサーバーと電話間を独自のシグナリング(呼制御信号)によりつないでいるデジタルPBXシステムがあげられます。そのようなシステムは、オフィス内に音声システムのために配線、ベンダー独自のハードウェア、システムを操作、保守するための特別の知識が求められます。これらのシステムの例として、Nortel MerdianとLucent Partnerシステムをあげられます。
既存のデジタルPBXシステムはメインテナンスに多額の費用― 特にベンダーが電話機の製造を中止した場合や、古いシステムのパーツを取り替える場合ーがかかります。しかし、それらのシステムの信頼性は非常に高いため、他のPBX製品が信頼性を評価する基準ともなっています。
さらに新しいシステムとしてハイブリット型PBXがあげられます。これにより、VoIPと既存のシステムの持つメリットを同時に利用することができます。これらのハイブリットシステムは、すでに莫大な額の投資を既存のPBXにしてきたエンドユーザーが、使用中のテレフォニーシステムを活用しながら、VoIPのメリットも利用できるようするために設計されています。しかし、ハイブリットシステムは高価です。なぜなら、コストがかかる既存のインフラを維持すると共に、新しい機能を加え複雑なシステムになっているからです。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2010.10.20
2012.04.04