他人とうまくやっていくための最重要ポイント。 それは、次の2つでしょう。 ・自分のことをよく理解してもらう ・相手のことをよく理解する わざわざ言うまでもない基本的なことですね。
でも、私たちはしばしば、
「自分のことをよく理解してもらう」
ことにばかり気を取られ、
「相手のことをよく理解する」
ということを忘れがちです。
誤解を恐れずに言えば、
この傾向は男性に多いように思います。
「どう、俺ってこんなにすごいんだよ!」
と、自分の知性の高さや見た目の良さ、血筋の良さ、
金持ちであること、ナニの大きさなどを誇らしげに語るのです。
しかし、実際にすごいかどうかを評価するのは、
意中の女性の役目ですよね。
しばしば男性は、
相手が「すごい」と思ってくれるのは何か
をよく理解しようとせず、独善的に振舞ってしまう。
この結果、あっさりふられてしまうのです。
(恥ずかしながら、自分のことも語っています・・・)
日経ビジネス最新号(2008年4月14日号)の日立の記事を
読んでいたら、日立は上記のような「男性的」な発想が強い会社
だなと思わず感じてしまいました。
日立は年間売上10兆円、
日本人で知らない人はいない大企業です。
しかし、民生用、
つまり一般消費者向け製品における存在感は極めて薄いですね。
はっきり言って、強いカテゴリーは一つもありません。
我が家の家電製品、AV製品を調べてみたら、
松下、ソニー、東芝、シャープ、サンヨー、パイオニア。
日立の影はやはり薄い。かろうじて10年以上前から使っている
テレビ1台だけが日立製でした。
日立の技術力の高さには定評があります。
例えば、洗濯機では2004年に、
「ビート式」
の洗濯機を世界で初めて発売しています。
日立は、この方式を採用した洗濯機のことを
「第3世代の洗濯機」
と位置づけていました。
というのも「ビート式」は、
洗浄力は強いが水の使用量が多い従来の「うずまき式」や、
節水能力は優れているが洗浄力が弱く時間がかかる「ドラム式」
とは異なる新しい方式であり、
水の使用量、洗浄力、洗浄時間
といった主な性能面で他の方式を凌駕する
「すごい洗濯機」
だったからです。
ところが、当時洗濯機で大ヒットしていた、
言い換えると、主婦の心をつかんでいたのは、
2003年に松下が初めて発売した
「ななめドラム式」
のような、洗濯物の取り扱いの容易な洗濯機だったのです。
日立の人たちは、
「どうしてこの技術のすごさがわかってくれないんだ・・・」
と嘆いたことでしょう。
しかし、そうやって嘆く以前に、
そもそも相手(消費者)が求めていることを理解しようとしない、
「技術の独善」
を捨てるべきではないでしょうか。
自分がどんなに「すごい」と思っていても、
相手が「すごい」と思ってくれなければ受け入れられない。
このあまりにも当たり前のことが実践できない
独善的な企業(人)は日立に限らずたくさんありますが、
この発想を捨てない限り、狙った相手にそっぽを向かれるだけだ
という厳しい現実を自覚すべきでしょうね。
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2008.05.23
2008.05.23
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。