読んでみて、事業会社時代にマッキンゼー出身の上司に毎日夜中までこき使われていた時に、彼に感じたパワーと同じようなパワーを感じました・・・。この人も海の水を全て沸かすんだ!と言いつつ、自分で海の水を全て沸かしきるタイプの人かもしれないな、と思いました。
本当のところは、人の頭はあまり論理的にはできていません。
哲学書って読みにくいですよね。カントの「純粋理性批判」をまともに読める人間なんて、いませんよね。あれは、相当純度の高いロジックで書かれているんですけどね・・・。
コンサルタントのゴールは、「クライアントが実際に動いて、企業がよりよくなること」。それだけです。
クライアントが本当に理解できる、理解した上で行動に向かうのは、コンサルティングファーム内での情報プロトコルに従った、極度に純度が高められた論理ではない場合が多いのです。
それと同じように、不特定多数の人にメッセージを送る書籍というもので、全体像をいきなりチャート化して伝えるのは、コミュニケーションとして不適切だと私は思います。だから、全体像をチャート化していない著者の判断は正しいと思います。
それで、この本にお話しを戻しますと、この本のフレームワークの考え方はどうなっているのでしょうか?
まず、「第1章:自分をグーグル化する方法」は、ある意味、フレームワーク設計の基本思想です。こういう考えに基づいて、情報を整理しますよ、なぜなら、こうだから、例えばこんな感じ、といったことが書いてあります。
そういう場合、左側に右向きで縦長のブロック矢印を書いて、その中に箇条書きでその中身を書いたりします。中身としては・・・
・情報処理の重要性の増大
-情報が溢れているといっても、ほとんどの人は情報を浴びていない
-情報を大量に浴び、重要な情報を取捨選択できることが知的社会での
競争力。本書では情報処理での「トヨタ生産方式」を目指している
-情報を出せば出すほど、情報を得ることができる
-処理にはヒューマンスキルとITツールの併せ技が重要
ぐらいでしょうか?これが、フレームワーク設計の基本思想。左側のブロック矢印の中に入ります。
それで、真ん中にスティックピクチャーで頭のでっかい人を書きますね。なんせ、「知的生産術」がテーマですから。
それで、頭から真上に吹き出しを引っ張って、「第2章:情報洪水から1%の本質を見極める技術」のサマリーを書きますね。ここは、頭の中自体のお話しなので、ITツールは出てきませんね。純粋に目次の内容を書いておけば充分です。
それで、左側から、頭に向かって、情報自体というエンティティと、頭と情報の間に、情報ソース、脳の補助メモリーを図解します。絵の描き方としては、大量の情報が一気に頭に入ってくる感じですね。ここが、「第3章:効率が10倍アップするインプットの技術」です。情報エンティティは「とにかく大量、玉石混交で情報を集める!」ぐらいを書いておけばいいですね。それで、情報ソースは、書籍、Web、オーディオブック、人などを書いておいて、人間系のスキルに、フォトリーディング、マインドマップ、親指シフトなどを書き、蓄積の補助ツールにノートPC、Gmail、紙、などを書くんですね。
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2008.08.17
2008.08.29
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。