最近、この本のヒットのせいか、地頭という言葉が一般にも普及しました。私も、面接の時に、「テニスラケットは日本に何本あると思いますか?」と聞かれたことがあります。コンサルタントであれば、いわゆる地頭を使った、こういう思考スタイルは取らざるを得ないのですが、一般企業でどう活用するか?に関して、私は相当に苦労しました・・・。
あと、私の好み、スタンスの問題かもしれませんが、コンサルタント論?といった視点から批判すると・・・
フェルミ推計をやる時に、目を輝かせる人がいい、といったことが書いてありますが、私はそう思いませんけどね。地頭の良さを見たい、知能ゲームやるよ?という問いに、目を輝かせます?すごくピュアな人が好きなんでしょうか?
コンサルタントの質問は、常に「だから何?」です。「テニスラケットは日本に何本あると思う?」と問われて、まあ、地頭力を示せ!と言ってるんだなあ、ということを把握した上でも、「それを知ることで次はどうするために知るんですか?」ぐらいに聞ける人のほうが、コンサルタント向きだとは思いますね。「自分には考える力があるんだ!」と、「考えるの嬉しい!」と、ある意味でプランニング力を振りかざす間違いを犯すコンサルタントに、このタイプが多い気がするのですが、どうなんでしょうね。
考える作業には、終わりはないです。だから、問いは、全体性の中でしか成立しません。
その前提をたまにわかっていない、知的好奇心の強いコンサルタントは存在して、プロジェクトフォーカスを広げすぎたり、人の気持ちを含めた実行力を制約条件にしなかったりする。本当にこのプロジェクト、意味あるの?とステークホルダーのみんなが思う状況になりがちだと思うのは、私だけでしょうか?
コンサルタントの訓練を既に受けている人には、ある程度、「補う」と言う意味で意味がある本だと思います。
訓練を受けていない人が読んでも、何を得るんだろう?という本だと思います。
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2008.06.28
2008.12.06
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。