ネットマーケティング勃興期、 低コストでダイレクトにターゲット顧客に届く 「eメール」 を活用したダイレクトメール(eDM)が 急速に浸透しました。
この結果、紙の資料を郵送などで届ける従来の
「紙DM」
の将来性はとても暗いぞ、と当時は感じたものでした。
ところが現実には、
確かに一時期、「紙DM」は減少したものの
再び盛り返しつつあるようです。
eDMのコスト(制作費+送付費)は、
1通当たりせいぜい
「数十円(以下)」
といったところです、
ところが、紙DMになると1通当たり
「数百円(以上)」
かかります。
したがって、コスト比では、
紙DMはeDMの数10倍高い。
でも、重要なのは費用対効果ですよね。
顧客からの1反応(資料請求や購入等)当たりコストが
問題です。
つまり、
[総コスト÷反応数=1反応当たりコスト]
が、ターゲット顧客や商材によっては、
「紙DM」の方が「eDM」よりもはるかに
安上がりな場合もあるのです。
DMを受け取る消費者側にしてみれば、
スパムまみれの「eDM」に辟易しているが故に、
以前よりも「紙DM」の存在感や価値が
相対的に向上しているように感じます。
お手軽な「eDM」に挑発されてモノを買ってしまうほど、
私は安っぽい人間じゃないぜ・・・なんて思ったこと
ありませんか・・・?(笑)
実際には買ってしまうこともありますけど(爆)
逆に、立派な紙DMを手にすれば、
ここまでお金と手間をかけて伝えたいことはなんだろう
と気になってしまう。
なにより貴重な紙資源が使われていることもあって、
無下に捨てるにはしのびないという感覚が強まってる
ように思います。(考えすぎ?)
さて、月刊アイ・エム・プレス最新号(Vol.143,2008.4)では、
「紙DMの逆襲」
と題する特集で、
紙DMの有効性や可能性を再考しています。
この特集のために行われた調査の中で、
「紙DM」と「eDM」を受け取った場合の反応の違い
の対比が面白いです。
まず、紙DM(封書のDM)を受け取った時の対応に
ついての回答。
1 ほとんど開封して目を通す(18.8%)
2 開封した上で興味がなければ処分する(45.5%)
3 封筒を見て開封する決める(29.4%)
4 ほとんど開封せずに処分する(6.4%)
紙DMの開封率(1+2)は、6割以上になります。
以前はどうだったのかという数字がないのですが、
意外に高い開封率だと思いませんか。
ひょっとしたら以前よりも開封率は
向上しているのではないかとも思います。
では、eDMを受け取った時の反応を見てみましょう。
1 ほとんど開封して目を通す(5.0%)
2 開封・閲覧した上で興味がなければ削除する(16.0%)
3 メールの件名を見て開封するか決める(57.6%)
4 メールボックスに放置する(1.0%)
5 すぐに削除する(20.4%)
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2008.11.29
2015.07.10
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。