消費税の増税にともなって、需要喚起対策として、ド派手に打ち出された「キャッシュレス・ポイント還元事業」が6月30日に終わった。そこで、経産省は、事業開始前(2019年9月)と事業期間中(2019年11月、2020年5月)に実施した消費者及び店舗向けアンケートの調査結果を公表した。
消費税の増税にともなって、需要喚起対策として、ド派手に打ち出された「キャッシュレス・ポイント還元事業」が6月30日に終わった。そこで、経産省は、事業開始前(2019年9月)と事業期間中(2019年11月、2020年5月)に実施した消費者及び店舗向けアンケートの調査結果を公表した。
消費者の立場からすれば、キャッシュレスにするだけで、還元されるのだから使わない手はないのだが、国は7353億円を投じたと言われる「ポイント還元制度」。果たして、実際はどうだったのだろうか。
店舗側からすれば、キャッシュレス決済を導入することで、新しい顧客の開拓や、単価アップにつながると考え、バカにならない手数料を払いながら頑張ってきた。
ところが、コロナが直撃した。緊急事態宣言が出され、キャッシュだろうがキャッシュレスだろうが、買い物自体できなくなってしまった。
その証拠に、総務省が7月7日に発表した2020年5月の2人以上世帯の家計調査によると、消費支出は前年同月比16.2%減と大幅に落ち込んだという。4月も前年対比で11.1%だったというから、5月はさらに悪化したことになった。
出かけることがないのだから、衣服、ファッション関係が38.3%減、ほとんどの学校が休校だったため、教育サービス、書籍などが37.9%減、住居関連の支出が26.0%減、交通・通信関係が22.4%減など、大きな落ち込みとなった。
ただし、特別定額給付金によって、2人以上の勤労者世帯の収入は、5月に9.8%増と急増したという。5月の中旬には、緊急事態宣言は解除され、収入も増加したものの、消費にはまったく結びついていないという結果になった。
ECは順調だと言われることもあるが、全体の消費が減少しているのだから、伸びはたいしたことはない。
総務省によると、「ネットショッピングの支出額」(家計消費状況調査 ネットショッピングの状況について『2⼈以上世帯』)は、2020年4月で1万4622円だったが、2019年の約1万7000円と比較しても、むしろ減少となっている。
2018年から2019年にかけては、かなりECによる売り上げは増加したが、2020年にかけては、コロナによる巣ごもり消費の増加を見ることはむしろ難しい。全体の消費が減少している分、EC率が上がっているというのが正確な現状か。
「キャッシュレス・ポイント還元事業」が6月30日に終わったが、実際に、店舗側としては、どう感じているのだろうか。
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