劇場にしばらく足を運んでいない人が多くなったいま、2019年は、映画界にとって記念すべき“いい年”になったようだ。 というのも、現在の公表形式に変わった2000年以降、史上最高の興行収入2550億円に到達する見込みだといわれているからだ。同様に入場者数も過去最高になるという。 映画会社系列シネコン(シネマコンプレックス)大手3社が入場料を100円アップし、最大1900円に価格変更しながらのこの快挙は、いったい何が功を奏したのか、今回はその理由を探ってみよう。
また、鑑賞のスタイルも幅が広がっている。通常の鑑賞のほかに、3DメガネをかけてのIMAXや、座席が前後上下に振動し、水しぶきや匂いといった臨場感も体感できるメディアメイションは、劇場ならではの特典だ。例えば、ヒーローが敵と海や川で戦うシーンでは、作品世界さながらの雰囲気を体感できるなど、映画鑑賞の迫力や魅力は大きく様変わりし、いまやアトラクションの色合いが非常に濃くなっている。
さらには劇中の出演者といっしょに歌がうたえる「応援上映」まで広がっている。こうなるとちょっとしたテーマパークだ。映画の作品を見ることと同じくらい、映画館で過ごすことが、ひとつの楽しみになっている。これは自宅のDVD鑑賞では味わえない魅力だ。
──昔のような場末にひっそりたたずむ映画館とはまったく異なる世界が広がっているのが、今どきの映画館。これらは作品の質の向上とともに、なんとか客を映画館に足を運ばせようとした関係者の努力のたまものといえるだろう。映画は、また新しい魅力を備えた娯楽の王道のひとつとしての地位を復活しつつある。これからもっと大きな変貌を遂げていくだろう。
≪記事作成ライター:小松一彦≫
東京在住。長年出版社で雑誌、書籍の編集・原稿執筆を手掛け、現在はフリーとして、さまざまなジャンルの出版プロデュースを手掛けている。
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