日本大会組織委員会は、大会が始まる前にその経済波及効果を4372億円になると予測していましたが、実際には日本代表の大活躍で、さらに上振れするに違いありません。とはいえ、TV観戦に熱が入り、家庭でのビールの消費は増えたものの、私たちの日常生活のなかでこの数字がいまひとつ、ピンとこないのも実感ではないでしょうか。 そこで、全国民を熱狂と感動の渦に巻き込んだ日本大会にまつわるお金の話をさまざまな角度から検証してみましょう。
直接効果の内訳では約40万人と見込まれる外国人訪日客の消費が断トツであり、その額は1057億円と55%強を占めています。一方、大会期間中の日本人の消費増は約160億円(缶ビールにすると約8億本)にしか過ぎません。
こうした検証結果から、ラグビーの大会では長期にわたる日本滞在で、ホテル代や飲食費など外国ラグビーファンが落とすお金が膨大だということがおわかりいただけるはず。
ちなみに、2020年に東京で開かれるスポーツの祭典における経済波及効果は東京都の試算によると、32兆円。ケタ違いの大きさであることがわかりますね。
大会の運営にかかるお金は?
今回のラグビー大会の予算は当初より膨らみ、開幕直前の2019年8月、630億円が組織委員会で承認されました。内訳はチケット収入が350億円、協賛宝くじ収益金100億円 日本スポーツ振興センター(JSC)助成金79億円、開催都市負担金39億円に加えてスポンサー企業からの寄付金となっています。好調なグッズの売り上げも収入予想を押し上げる結果に。
一方の経費については563億円と見込まれ、大会運営費180億円、国際統括団体(WR)への大会開催保証料135億円、会場の改修費100億、その他となっています。これだけを見ると黒字だと思うかもしれませんが、実際には選手の5つ星ホテル滞在費、停電後の復旧スピードを1秒にするシステム改修費用などが膨らみ、大会運営費がかなり上振れすることが予想されています。
次のページ日本代表に支払われる報奨金はいくら?
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2015.07.17
2009.10.31